守護神に認められた彼
□病魔
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『....病?』
「ん、..んぐ、..ああ、最近西の方の村で原因不明の病が発生してるらしいわ」
ごくん。喉の奥に咀嚼した物を飲み込む音が聞こえる。
彼はそのまま箸を箸置きに置き、空になった二三枚の皿を重ねながら話し出した。
「なんや、知らんかったんかいな?」
『いや...病が流行ってるみたいなのは風の噂で聞いてたんだけど、まさか西の方の村からとは知らなかったな。』
「へえ」と言いながら頬杖をかいた。
彼の名前は攻盛(こうせい)。2年くらい前にちょっとした出来事で友になった仲である。
ジッとこっちを見つめる攻盛。
...
『....何だよ』
「....んや、特になんもないで。ただ今回はどうすんのかなって」
『.....あー、そうだなあ。...』
見つめた先は店の外。
木が風邪で揺れていて、外は少し暗くなり始めている。
(....病、か。)
『..どうしようかな』