短い夢@

□忙しい人
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「だから、夜だけだからさぁ。」
机に向かうオレの後ろで、ベッドに座った名無しさんが続ける。

「ちょうど上陸した日が初日で、その二日後にもう一回、もっと大きいのがあるんだって。でね…。」

「…。」

「ねぇ、マルコ、聞いてる?」

「だから、ナースの護衛に行かなきゃならねぇっていってんだろい。」
振り向くのも面倒で、オレは机に向かったままそう返事をした。

「わかってるよ。だから、三日目の夜だけっていってるんじゃん!」

「何がどうなるかわかんねぇから約束はできねぇよい。」
そうぶっきらぼうに答えると、とうとう名無しさんがキレた。

「っていうか!なんでマルコがナースの護衛しなきゃなんないの?他の人に頼めばいいじゃん!」

「知らねぇよい。あっちからのご指名だい。」

「じゃあ、断ってよ!忙しいからってこの前も、その前の島も全然時間なかったじゃん!なんで忙しいマルコを指名してくるの?一番隊の隊長を気軽に使いすぎだよ!」
オレだって好きで護衛を受けてわけじゃねぇ。そうはいってもナース達とはそれなりにいい関係を保っておかなきゃならねぇからオレだって我慢してるんだ。そう思ったらオレは名無しさんに背を向けたまま、怒鳴っていた。

「その一番隊長が忙しいのはおまえが一番わかってんだろい!そんなに構ってほしいなら、もっと暇な奴とつきあえよい!」
オレは持っていたペンを机にたたきつけると、書き終えた書類をもって部屋を出た。
親父にこれを渡したら、次は上陸準備に隊長陣に声をかけなきゃなんねぇ。
イライラしたまま、オレは船長室に向かった。
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