短い夢@
□嘘かホントか
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=オマケ=
「よぉ、サッチ。最近ご機嫌じゃねぇかい。」
「あ?へへっ、まあ、な。」
「つまり、あの後うまくいったってことかい?」
「あ?」
「全く、オレらをダシに使いやがって。」
「…え?」
「おまえらがつけて来てんのに気が付かねぇわけねぇだろい。」
「!」
「てっきり宿に入るところまでついてくんのかと思ったら、あの店を出た時には消えてたねぃ。」
「なんだよっ!気が付いてたのかよっ!っていうか、別にあれを見られても構わねぇなら、おまえらもうちょっと船の上でそれらしい態度しろよっ!そうすりゃオレの手間も…。」
「オレは構わねぇんだけどねぃ。名無しさんが余計な敵を作りたくねぇってな。」
「…なんだよ、その、おまえがモテてるのが前提みたいな言い草は。」
「事実だろい。」
「うわっ!むかつく!」
「それに、そのおかげでくっついたんだろ、おまえらは。」
「あ。」
「オレに感謝しろよい。」
「いやいやいや。これくらいねぇとやってらんねぇよっ!おまえらが本当につきあってるって、オレ今まで何人に何回説明したと思ってんだよっ!」
「知らねぇよい。言っただろい。オレらは別に何も隠してねぇって。これがオレらの自然体だい。」
「サッチ隊長〜。」
「おまえらはわかりやすいな。」
「オレらが普通なんだって。おーい!今行く!」
「うまくあの子使ってオレらがつきあってんのは事実だって広めておいてくれよい。」
「え?」
「オレも虫よけが欲しいんだよい。」
「…そんな回りくどいことしねぇで、一回酔ったふりしてみんなの前で押し倒しとけよ。」
「…。」
「サッチっ!」
「ああ!悪ぃ悪ぃ!じゃ、な、マルコ。」
「おぅ。…。確かになぁ。なくはねぇな…。」
数日後、いつになく飲んでご機嫌のマルコがいきなり酒の席で名無しさんの肩を抱いてキスをすると、周囲から男女双方の悲鳴があがった。