短い夢@
□無欲すぎるホワイトデー
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会計を終わらせたマルコが、店の外で待っていた私のところにやってくると私の手を取って歩き出した。私がまだ現実に思考が全くついて行っていない状態で手を繋いだまま並んで歩いていると、マルコが
「そうだ。」
と言って振り返った。
「もう一つ、おまえに決めてもらわねぇとな。」
「ん?」
繋いでいた手を離すと、マルコが私の肩に腕を回して、
「今晩の宿はどこがいい?」
と私の顔を覗き込んだ。
「オレをもらってくれんだろい?」
「!!」
マルコはニヤリと笑うと、絶句している私の腰に腕を回して、
「ここなら選り取り見取りだよい。豪華なのもエロいのも、好きなの選べよい。」
と耳元で囁きながら歩きだした。
「マ、マルコとならどこだっていいよ。」
そう言って、マルコに寄り掛かると、
「相変わらず欲のねぇ奴だよい。」
とマルコが笑った。