Harry Potter  ビル

□"叫びの屋敷"
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6月が近づいてきた。
多くの生徒が校庭でをただぶらぶらしたり、ゴブストーンのゲームをしたり、
湖上を泳ぐ大イカを眺めたりしてのんびり過ごしたいと思っている。

だが、そうはいかないのが現実。

全学年に試験が迫っていた。
フレッドやジョージ、クラルスたち5年生はO.W.L試験を控えていた。
悪戯双子もこの時ばかりは静かに勉強をしている。

フ「・・・試験会場で花火でも飛ばすか」

フレッドは名案を思い付いたといわんばかりに言い出した。

『バカなこと言ってないで勉強して』

ジョ「さすがの姫もいつもよりトゲのある言葉だね」

『当り前よ、この試験のために苦しい思いをしてきたんだもの』

ここ近年、事件に巻き込まれたり、悩み事が増えたり、
クラルスの勉強時間は減っていたが、なんとか喰らいついてこれた。
その努力を無駄にはしたくはない。

『それに、2人のやりたいことに今の勉強は必要になるわ』

フ「それはわかってるんだけどね〜」

ジョ「試験となると、やる気なんて起きないぜ」

『・・・いい結果を出した方が、モリーさんを説得しやすいと思うけど』

フレッドとジョージのやりたいこと、悪戯専門店の経営。
もちろん2人の母親であるモリーが簡単に許してくれるはずはない。
クラルスは2人が本気だからこそ応援をしている。

フ「そう言われたらそうかもな、なぁ相棒」

ジョ「しかたない、ここはいっちょがんばりますか!」

『はじめから頑張ってほしいけどね』

フレッドとジョージがやる気を出したことで、集中して勉強ができた。

・・・それも、長くは続かなかった。
双子はせっせと勉強道具を片付け、同時に立ち上がった。

「「よし、クソ爆弾を投げつけよう!」」

『やめなさい!!』

2人の手にはどこからか出したのかクソ爆弾が握られていた。

ジョ「止めないでくれ、姫、俺たちはやらなくてはいけないんだ」

フ「これをスリザリンの連中に投げつけるまでは、やりたい勉強もできない」

『試験勉強にスリザリンはまったく関係ないから!!』

制止の声は空しく、双子に届くことはなく、
双子はスリザリンの談話室に飛んで行ってしまった。
クラルスは付き合ってらんないと勉強を再開した。

遠くで悲鳴と怒号が聞えた気がした、が、無視をした。


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