Harry Potter  ビル

□ハロウィン
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10月になった。
クィディッチシーズンの到来である。
同室のアンジェリーナとアリシアは週3回の練習に出ている。
今年こそは優勝杯を手にするんだと意気込んでいる。
そして、10月末のハロウィンの日はホグズミードに行ける週末だった。

ジョ「っえ、姫、ホグズミード行かないの?」

『ハロウィーンの日はね』

フ「なんでさ?
  …まさか、生徒が出払っている時を見計らって、」

『悪戯なんてしないわよ、フレッドとジョージじゃあるまいし』

フ「心外だな、姫。俺達でもさすがにそこまではしなぜ」

『…2年生のときのことを忘れたとは言わせないわよ』

ジョ「あっちゃぁ、覚えてたか〜」

2年生のとき、フレッドとジョージは3年生以上がホグズミードで出払っているときを
見計らい、スリザリンの談話室に潜り込んでクソ爆弾を投げ込んだのだ。
スリザリンの談話室の合言葉の入手経路は未だに不明だが・・・。
それがばれて、減点と罰則、モリーから吼えメールが届いた。
実行犯はフレッドとジョージのためクラルス自身は関係ないが、
なぜ止めなかったのだと遠回しに責められた・・・苦い思い出である。

フ「まぁ、昔のことはこの際忘れて、なんで行かないの?」

『調子がいいんだから・・・、
 今年から監督生になって、その仕事がけっこう大変なの。
 それで勉強をする時間が激減してしまってね。
 今年はOWL試験も控えてるから、心配で・・・』

ジョ「なるほど、それで勉強したいと・・・。
   姫、カレンダーを見て?まだ10月だ。
   OWL試験は6月、まだまだ先の話じゃないか!」

フ「そうだ、ジョージの言う通り!
  ホグズミードこそ学生の醍醐味というもの!
  そんなパーシーみたいなことは言わないでくれ!」

『落ち着いて、2人とも。今回だけよ。
 ホグズミードで気分転換もいいけど、一度じっくり勉強をしたいの。
 そうすれば、私の中の焦りも消えて、次のホグズミードに
 なんの心残りもなく一緒に行けるから』

それでもフレッドとジョージはまだ駄々をこねたが、なんとか納得させた。
今度は山ほどお菓子を買ってくると言ってきたため、
それをほどほどに抑えるのに苦労をした・・・。

ロ「はなせ!この野郎!」

ハ「ロン、乱暴しないで!」

談話室にロンとハーマイオニーの喚き声が響いた。
見てみると、ハーマイオニーのクルックシャンクスがロンの鞄に引っ付き、
それをロンが必死に止めさせようとしている。

そのとき、ロンのスキャバーズが鞄からポーンと飛び出した。
クルックシャンクスはそれを見逃すことはなく、鞄から離れて追いかけた。

ロ「あの猫を捕まえろ!」

ロンが叫んだ。
ジョージがクルックシャンクスを捕まえようと手を伸ばしたが、捕り逃した。
スキャバーズは生徒の股の下をすり抜け、古い整理箪笥の下に逃げ込んだ。
クルックシャンクスはその前で停止し、前足を整理箪笥の下に差し入れて烈しく掻いた。
クラルスはクルックシャンクスの腹に手を差し込み抱きかかえた。

『っわわ、落ち着いて!』

ロンは腹ばいになり、整理箪笥の下からスキャバーズを引っ張り出した。

その後、ロンとハーマイオニーは言い合いになってしまい、
ロンが肩を怒らせてスキャバーズを連れて寝室へ姿を消してしまった。
クラルスはハーマイオニーにクルックシャンクスを渡した。

『なんとかして、襲っていいものとそうじゃないものの区別を
 つけさせないとね』

ハ「お姉ちゃんまでクルックシャンクスを悪くいうの?!」

『違うわ、襲うものを間違えたら今度はクルックシャンクスが危険ってことよ。
 毒とかね…ここはいろんなものがある場所だからね』

ハ「・・・わかったわ」

ハーマイオニーは渋々うなずいて、寝室へと入っていった。
クラルスはやれやれと頭を抱えた。次から次へと問題がでてくる。
ハリーが置いてけぼりをくらっているのが目に入った。

『ハリー、面倒だと思うけど、あの2人のことお願いしてもいい?』

「え、僕が?」

ハリーはいきなりのお願いに驚いていた。
クラルスは申し訳なさそうな顔で続けた。

『私がなんとかできたらいいのだけど、ロンから見たら
 私はハーマイオニーの味方にしか見えないと思うの。
 ハリーの言葉なら私よりも2人に効くはずよ』

「・・・やれるだけ、やってみるよ」

『ごめんね、ハリー・・・』

クラルスはどうしてもハーマイオニー寄りの考えになってしまうため
ロンを説得するには役不足だった。
ハリーも言ってることは一理あると引き受けたのだ。
 

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