Harry Potter  ビル

□秘密の部屋
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どうやってここに来たのかは、よく覚えていない。

ただ、きっとここが《秘密の部屋》なんだということはわかった。
ジニーはこの部屋につくなり、倒れてしまった。
急いで抱き起すと顔は白く冷たい、でも、生きてはいる。
クラルスはジニーを石造の隙間に運び、守るように抱きかかえた。
これから、どうなるのだろう・・・

まもなくして、ハリー・ポッターが現れた。

『ハリー!!』

ハ「クラルス!?ジニー?!」

ハリーは生きているクラルスを見てホッとしたが、
クラルスに抱きかかえられ動かないジニーを見て目を見開いた。

ハ「ジニー?!どうしたの?!」

『わからないの、急に倒れて…目を覚まさないの…』

ハ「そんな・・・」

リ「その子は生きている、しかし、かろうじてだ」

リドルはすぐそばの柱に寄りかかりこちらを見ていた。
相変わらずゴーストのようにぼんやりとしている。

ハ「トム・リドル?・・・ゴーストなの?」

リ「記憶だよ。日記の中に50年間残されていた記憶だ」

リドルは自分の足元を指さした。
ハリーが見つけた小さな黒い日記が開かれたまま置いてあった。
ハリーはなぜここに日記があるのか疑問に思ったが、
もっと緊急にしなければならないことがある。

ハ「トム、助けてくれないか。ジニーが・・・」

『ハリー、その人に助けを求めても無駄なの・・・』

ハ「クラルス、どういうことだい?だって早くしないと、バジリスクが・・・。
  そうだ、僕の杖・・・」

クラルスとハリーはリドルを見上げると、すらりとした指でハリーの
杖をくるくると弄ぶリドルがいた。
ハリーが杖を受け取ろうとするが、リドルは弄んだまま渡さない。

『ハリー・・・この人が犯人なのよ』

ハ「・・・え?」

『ジニーがこうなったのも、全部、リドルの仕業よ』

ハリーは信じられないというようにクラルスを見た。
クラルスはジニーをしっかりと抱きかかえ、ハリーを真っ直ぐ見つめ返した。
ハリーもこの状況になにかおかしいと気がついた。

リ「話せば長くなる。ジニー・ウィーズリーがこんなふうになった原因は、
  誰なのかわからない目に見えない人物に心を開き、
  自分の秘密を洗いざらい打ち明けたことだ」

彼の話によると、ジニーが彼に心を打ち明けることで、
ジニーは知らない間に彼に魂を注ぎ込んでいた。
そして、十分に魂を注ぎ込ませたところで、今度はリドルの魂を
ジニーに注ぎこみ、《秘密の部屋》を開けさせた。
雄鶏を殺させ、壁に脅迫の文字を書かせ、
バジリスクを石になった犠牲者にけしかけさせた。
・・・なんとも、ひどい話だ。

『…ジニーは怖くなったのね、記憶のないことに。
 そして、日記を捨てた』

リ「そうさ、日記を信用しなくなるまで随分とかかった。でも、
  とうとう変だと疑いはじめ、捨てようとした。
  そこへ、ハリー、君が登場した。
  僕は最高に嬉しかったよ、君が拾ってくれたんだ。
  僕が逢いたいと願った君が・・・」

クラルスはハリーがリドルと話を続けていくのを、
頭の片隅で聞いていた、来ているふりをした。
リドルはハリーに夢中でクラルスが他の事を考えているとは気づかない。


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