Harry Potter  ビル

□決闘クラブ
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クラルスは次の日、約束通り、
ハーマイオニーとロン、退院したハリーから
ポリジュース薬の使い道を聞き出した。
さらに屋敷しもべのトビーやコリン・クルービーが襲われたことも。
・・・何も言えなかった。

『…ポリジュース薬の作り方は図書館の禁書に書かれているはずだけど、』

ロ「ロックハートのサインで簡単に借りられたよ」

『あの、似非教師・・・』

「ちょっと、お姉ちゃん!!」

クラルスがロックハートの悪口を言ったためハーマイオニーが
怒ったが、今はそれどころではない。
クラルスが注意したことは、この3人の頭の中からきれいさっぱりと
抜けていったらしい。

『ばれたら、また大幅に減点をされるのよ?
 いくつもの規則を破っているのだから』

「わかってるわ、でもこのままじゃだめなの」

『・・・それはマグルの血が流れてるから?』

ハーマイオニーの息を飲む音が聞えた。
クラルスにはいまいちわからない、
なぜ3人がこんなに自棄になってこの件を調べるのか。
少なくともハーマイオニーのこの反応でわかったことがある。
マグルの血のことも、少しは気になっているらしい。

『…私がなにを言っても聞かないわね』

「お姉ちゃん・・・」

「僕たち・・・」

ハリー・ポッター、彼に関係することなら、
友人であるロンとハーマイオニーも黙ってはいない。
結果、クラルスは諦めた。

『貴方たちを止めるのは、あの双子から悪戯を無くすより手強そうね』

ロ「そのたとえはうれしくない・・・」

クラルスは思い返した。
 トロールと対峙したこと(倒したのはクラルス)
 ハグリッドのドラゴンを救ったこと
 「賢者の石」を守るために先生方の数々の罠を突破したこと
 空飛ぶ車で学校に来たこと(これはハリーとロン)
思い返せば思い返すほど、この2年間で起きた事件には彼らが関わっている。
非日常が日常に変わって行くような感覚だ。
きっとこの非日常はこれからも続くのだろう・・・。

『…怪我だけはしないようにね』

去年、彼らが賢者の石が隠された場所に向かう前と同じ言葉をかけた。

ハー「お姉ちゃん、っそれじゃあ・・・」

『退校にもならないこと、成績も落とさないこと、
 ご両親を悲しませないこと、ちゃんとご飯を食べること・・・』

ロ「え、あ、クラルス?」

『・・・少しでも不安なことがあれば、相談しなさい。
 今、言ったことが守れるなら、私は止めないわ』

ハリ「・・・うん、出来るだけ守るから、約束するよ」

『出来るだけ、ね。まあ、いいでしょう』

クラルスはこうして、彼らの行為を黙認したのだった。

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