長編

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いつものバーに戻ったエクスペンダブルズ
任務の成功の打ち上げと新たな仲間の歓迎を祝って
盛大に飲んでいた。


 バ「シーザーに!!」

 「「「「「『シーザーに!!』」」」」」


そして、シーザーの無事退院を祝っていた。

みんながお祝いムードで楽しんでる中、
バーニーはドラマーと何やら話していた。
話し終わったドラマーは入口に引き返そうとするが、
ふとカレンと目が合い、そっちに足を向けた。
2人は向き合って握手を交わした。


 ドラ「未成年じゃなかったのか」

 『……さすがに怒りますよ?』


ヘリの中の言動といい、今回といい、
何かとカレンとリーに対しては一言多いドラマーに
カレンは苦笑いを浮かべた。


 ドラ「ではお詫びに、いつか食事にでも誘おう」

 『いや、それは……』

 リ「断る、カレンは忙しいんでな」


カレンのかわりにリーが誘いを断り、
カレンを後ろから抱きしめた。
ドラマーは面白そうに笑うだけだった。


 ドラ「うるさいやつだ。
    では、また会おう」

 リ「さっさと帰りやがれ」

 ドラ「相変わらず、口の利き方を知らん奴だ」


リーは手で追い払う仕草をとり、
ドラマーはそれを鼻で笑ってから帰っていった。
カレンは何も言わずただ笑っていた。


 リ「嫌なヤローだ」

 『チャーチとどっちがいいですか??』

 リ「どっちも嫌な奴には代わりねぇ」


カレンはリーの言葉にまた笑う。
そこにドクが寄ってきた。
ドクはリーにナイフ投げに誘い、
その誘いに乗って的の前に移動した。


 ドク「ついでに賭けもしようぜ
    勝った方がカレンとデートな」

 リ「おい、カレンは俺の女だって言ったろ!」

 ドク「負けるのが怖いのか??」

 リ「あぁ?誰が負けるって??
   いいぜ、掛けに乗ってやるよ
   ……勝つのは俺だ」

 『……それって本人の許可は取らないのですか??』


カレンの声は届かない。
2人はナイフを手に持ち向かい合うと、
ニッと笑って同時に腕を振り上げた。
真っ直ぐと的に刺さった2本のナイフ、
2本とも同じ的の中央に仲良く刺さっていた。


 ドク「引き分け」

 リ「だな」

 
勝敗は引き分け……と思いきや、
的からドクのナイフだけが抜け床に落ちてしまった。
つまり勝敗はリーの勝ちであり、
カレンのデート券はリーのものになった。


 ドク「……3回勝負だ」

 リ「いいぜ?ただし、
   カレンとのデートは譲らねぇ」

 
ドクはよほど悔しいのか
勝手にルールを変えて勝負を続行した。
カレンは長くなりそうなので、
2人の下を離れてバーニーの下に向かった。

 
 『バーニー』

 バ「カレン、
   今回は迷惑をかけたな」

 『ほんとですよ、二度目はありませんよ?』


2人は笑って、お互いに手に持っているビール瓶をぶつけ合った。
その時、新人4人がステージに上がり歌いはじめ、
バーをさらに盛り上がる。
カレンはそんな4人を見て、バーニーに視線を戻した。


 『子育て、頑張ってくださいね、お父さん』


子育て、つまり新人4人の面倒をみることだった。
バーニーはその言葉に苦笑いを浮かべた。


 バ「おいおい、手伝ってくれねぇのか?」

 『ほぼ同い年の子供の面倒は見ませんよ
  それに私はまだ、恋人と2人がいいです』

 バ「そうかい、ごちそうさまだバカヤロー」


惚気といえるカレンの言葉に両手を上げて答えるバーニー。
カレンはバーニーの下を離れ、ドクとの勝負を終え、
カウンターでビールのおかわりを頼んでいるリーに近づいて、
横から思い切り抱き付いた。


 『リー!!』

 リ「っおっと、カレン」


リーも機嫌よくカレンを迎え入れ
ぎゅっと抱きしめ顔を覗き込んだ。


 『今日、家に行ってもいいですか?』

 リ「なんだ、帰るつもりだったのか?」


はじめからカレンを連れていくつもりだったリーの
言葉に頬を染めて喜ぶカレン。


 リ「束縛されんのが好きなんだろう?」

 『……リー限定です』

 リ「後でイヤってほど愛してやるから覚悟しとけよ」


リーはカレンに顔を近づけると、
カレンも合わせるように目を閉じた。

2人は互いの唇を味わうように甘いキスをした。


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