長編

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一足先に屋上へ出る入口の前に来た
リー、ドム、カレンだったが、
敵の待ち伏せに屋上には出られない。

 
 リ「ドラマー!!なんとかしろ!!」

 ドラ「状況を言え」


ドラマーは入口付近にいる敵に
ヘリからミサイルを一発放ち一掃した。


 トレ「おはよう! さあ、乗り込むぞ!」

 『トレンチ!!』

 トレ「無事でなによりだ!」

 リ「行くぞ!!」


トレンチが入口から誘導しヘリに乗り込んでいく
そして、元メンバーのヤンも登場した。
ヤンの姿に驚きの声が上がる。


 リ「ヤン?!」

 ヤン「無事だったか」

 『元気そうで!』

 ヤン「そっちこそ!」

 ト「トレンチと組んだのかよ!」

 ヤン「あぁ、ギャラがいいんだ」


守銭奴のヤンらしい理由だった。

後ろでガルゴがトレンチにかっこいいところを取られたと
なにやら騒いでいるが、気にしている暇はない。
早急にヘリに乗り込む。


 ドラ「君がカレンか、思ったよりも若いな」

 『アジア系は若く見えるところが利点です』

 ドラ「確かに、10代に見えるな」

 『……』


ドラマーの言葉にカレンは口元が引き攣っていた。
さすがに10代はないだろうと言い返したかったが、
状況が状況のためにその言葉は寸でのところで飲み込んだ。

全員がヘリに乗り込んだがバーニーだけがいなかった。
爆弾を止めてる小型コンピューターのバッテリーも
残りわずか1パーセントだった。
バーニーが来ないことに全員が焦っていた。


 ソ「バッテリー切れだ!!!」


……そしてバッテリーが切れ、爆弾が起動。
建物のあちこちで爆発が始まった。


 ドラ「離れるぞ!!」

 リ「待て!待ってくれ!!」

 『っもう少しだけ!!』

 ドラ「もうダメだ!!」


周りがどんなに懇願しようとドラマーは爆発に
巻き込まれないようにヘリを上昇させていく。
そのとき、バーニーがとうとう姿を現した。


 リ「急げ!!」

 ト「バーニー!!」

 
屋上の崩壊もすでに始まっている。
バーニーは崩れ落ちる屋上が背中に迫る中、
必死にメンバーが待つヘリへ向かって駆けだす。


ドラ「まったく、ひとつ貸しだぞっ」


ドラマーはヘリを一定の高さで留まり、
ヘリからロープを下ろした。
メンバー全員がバーニーの名前を叫ぶ。

そして、バーニーがロープに向かってジャンプするのと
同時にビルは崩壊し、炎上。
ロープとバーニーの姿はビル崩壊の粉塵にのまれ見えない。
全員が諦めかけたその時、
粉塵の中からロープに捕まるバーニーの姿があった。
その瞬間、歓声が沸き上がった。
カレンも感極まってリーの首元に抱き付き、
リーも強くカレンを受け止めた。


 バ「上げてくれ!!」

 ト「もうクビ切りなんかしないか?!」

 バ「上げろって!!」

 『なんか言ってますよ??』

 リ「ああ……なんだって?!もう一度!!」

 バ「お前ら殺すぞ?!」


バーニーの言葉にみんなが笑い出す。


 バ「っわかった、頼むから……
   悪かったよバカヤロー!!!」


バーニーの謝罪にまた笑い声が広がった。

この瞬間ほど、嬉しいものはなかった。


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