長編

□7
2ページ/2ページ


森を抜けると今度は崖…ではなく何百個と連なる岩登りだった。
岩と岩の間に足を取られぬように慎重に進む。
そして、岩を上りきると廃墟と化した建物が目に飛び込んできた。


 バ「さて、どうする?」

 リ「終わらせるしかねぇだろ」


メンバーは恐らく戦場の地となる廃墟へ歩みを再開した。

廃墟の目前までにたどり着くが敵の姿は一人も
見当たらなかった。
しかし、熱感知双眼鏡で廃墟の上階を見ると
人質にされた4人のメンバーがまだ生きていることが判明。

 
 バ「8階にいる」

 ド「こりゃ厳しいぞ、茨の道だ」

 ト「奴はこっちに気づいてる」

 ガル「ちょっと、提案してもいいかな?」

 ト「ダメだ」
 リ「いらん」
 バ「後にしろ」

 ガル「言うと思った……」


メンバーは8階へ向かった。
敵の気配がしない不気味な雰囲気の中、
最大限に周りを警戒しながら階段を上がっていく。

8階へたどり着き1つの部屋のドアを蹴破って中へ入った。
そこには天井からロープで腕を縛られ
ぶら下げられた捕らわれていた4人だった。


 ガン「ひでぇな」

 ド「あの野郎のやりそうなことだ」

 『最低な人……』


すぐに4人を縛るロープをナイフで切り、解放した。
長時間ぶら下げられていたこともあり、
手首には痛々しい跡が残っていた。
カレンは同じ女性であるルナに声をかけた。


 『大丈夫?』

 ル「…えぇ、ありがと」


部屋に置いてあった小型のテレビに
ストーンバンクスの顔が映し出された。
全員がそれに注目した。


 ス「やあバーニー、来ると思ったよ
   小僧どものお迎えは大歓迎だ
   巻き込んどいて今度は救出か
   だが、運のないことにビル全体に
   C4爆弾を仕掛けておいた
   普通の兵士なら脱出に90秒はかかるだろうが
   ……半分でどうだ?」


小型テレビの下からタイマーの音が鳴りだした。
バーニーが確認すると起動した爆弾が入っていた。


 リ「ビルごと爆弾にしやがった!」

 『本当に最低な人……!』

 ソ「!!……止められる!」


ソーンはガンナーの腕に巻き付いていた
小型コンピューターをはぎ取ると
爆弾の時間を止めようとハッキングを始めた。

時間が迫る中、ソーンのハッキングに
希望を託すようにみんなが声をかける。
声援を送るもの、胸の前で十字架を切るもの、
互いの手を強く握り合うもの……

 6… 5… 4… 3、

あと3秒を残して爆弾のタイマーは止まった。
ソーンの行動に称賛が送られる。


 ソ「バッテリーはあとわずか、
   バッテリーが切れたら妨害が解除になる
   長く持ってあと25分」

 ド「あ〜…息つく間もなくまた難題だ」

 『爆弾でダメならば武力で来ましたか』


ドムとカレンの見つめる先には
何十人もの兵士と戦車がこの廃墟に向かってきている。
空にはヘリが飛んでいた。

 
 ガン「お前らが捕まるからだ!」

 マ「なんだと?!」


冷静にならなければいけない状況だが、
上手くいかずガンナーとマーズが取っ組み合いを
始めてしまう。
周りは止めようとするが収まらない。

 ガンッガンッ

バーニーが天井に向けて拳銃を発射し、
静寂を取り戻した。


 バ「罠にはまっているのはあいつのせいだろう!!
   奴の筋書きに踊らされてるんだ!
   なのに仲間割れか?!いい加減にしろ!!
   ……切り抜けられる
   ただし俺たちが協力し、1つのチームになればだ
   そうなれば生きて出られる
   全員にその気があるか?それ次第だ」

 ジ「……武器はあるのか?」


ジョンの言葉こそ答えそのものだった。
ガンナーやトール、ドムが背負ってきた鞄の中には
銃がぎっしりと詰まっていた。
ジョン、マーズ、ソーン、ルナは
すぐに銃を手に取り装備を整えていく。


 バ「よく聞け!少人数に分かれて行動し
   一階から抜け出す!いいか?
   ……いくぞ!!」


全員の手に武器が渡ると
バーニーにの言葉を合図に動き出した。
脱出作戦が始まった。


.
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ