長編

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飛行機から降りて今度はバギーに乗って移動する。
リーとバーニーは運転席、他は荷台へ。
リーの計らいによりカレンとガルゴの間に
壁を作るようにしてガンナーを座らせた。
リーは満足そうな顔をしていたという。
他のメンバーはリーの過保護っぷりにもうなにも言わなかった。

森に着くと今度は徒歩での移動となった。
飛行機を降りてからここまで、ガルゴのマシンガントークは
止まることがなく、終わりも見えない。


 ガル「…すなわちヒステリアルな強さ、
   変わった概念だがその強さをずっと出せるなら
   ジム通いなんていらないわけ
   だって人間離れしているから
   そもそもヒステリーってのは女性特有
   の概念だったらしい……」


バギーから荷物を下ろす間もマシンガントークは止まらない。
聞き流してはいるが、嫌でも耳に入ってくる。


 リ「偏頭痛がしてきた」

 バ「わかるよ」

 『疲労感がすごいです』

 バ「無理するなよ」

 ド「おしゃべりマシンガン
   弾が尽きたら奴を使おうぜ」

 バ「そうだな」

 ガル「彼(ガンナー)に嫌われてる?」

 バ「人見知りなんだ」

 ガン「なんだって?」

 バ「好きだって」

 ト「……大変だな」

 バ「そう思うなら助けろ」


メンバーのガルゴに対する思いを聞き入れフォローするバーニー。
トールだけが憐みの目でバーニーを見ていた。


列の先頭はリーとカレンが歩いていた。


 リ「カレン」

 『はい?』

 リ「今回の敵はマジでやばい
   俺から離れるなよ」

 『私の力では心配だからですか?』

 リ「信頼はしてる
   カレンの実力も疑ってねぇ
   だが、俺がそばに置きてぇんだ」

 『私はどこにも行きませんよ?』

 リ「わかってる
   今回は、離れるな」

 『っふふ、じゃあリーの背中は私が守ります』

 リ「それは頼もしいな
   カレンは俺が守る」

 『っふふ、…そういえば』

 リ「なんだ」

 『最近はよく、リーから"俺の"発言を
  たくさん聞いてると思いまして』

 リ「…もしかして、うぜぇってか?」

 『まさか! その反対にすごくうれしいです
  さっきはバーニーの前だったのではっきりとは
  言えませんでしたけど、
  リーの束縛は大歓迎です』

 リ「嬉しいこと言ってくれるぜ
   帰ったら覚悟しとけよ」


これから戦場へ向かう傭兵とは思えない
恋人同士の甘い雰囲気が漂っていた。
これも何度も戦場を経験していることと
お互いの深い信頼関係が生んだ余裕なのかもしれない。


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