長編

□対話と襲撃
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 ノ「では話を戻そう!」

カレンとデッカードの関係についてはここまでという風に
ノーバディは本題へと戻していった


 ノ「サイファーを見つけるには、まずトレットを見つけることだ 
   これまで私以外で彼を探し出せたのは世界でたった2人
   その2人が今、私の目の前に立っている!」


ノーバディが話を続ける中、
その2人は互いに睨み付け合い殺し合いが始まりそうな雰囲気だ


 ノ「たとえ不満だろうと2人で力を合わせるんだ! 
   わかったか??」


ノーバディの言葉に2人はかなり嫌そうに顔をゆがめた


 『( そんな露骨に嫌そうな顔しなくても… )』

 ノ「わかってくれて何よりだ」


カレンの心情とは裏腹にノーバディは嬉しそうだ

ここからはドミニク探しへと移る
ローマンのゴッド・アイ作戦が採用され
大型スクリーンのコンピューターの前にみんなが移動するが
カレンとデッカードはそのままガラス張りの部屋に残る


 『……いつまで捕まえてるつもりですか??』


そう、デッカードは今までカレンを一度も放すことなく
片手に抱いたままだったのである


 デ「おいおい冷てぇな、そういや面会にも来てくれなっかたしな」

 『行けるわけないじゃないですか?!』

 デ「俺はお前に逢いたくてたまんなかったってのにな ……まぁ、」


デッカードは開いている手でカレンの左手首を自分の顔の高さまで持ち上げ
シンプルなシルバーのヒンジブレスレットを見つめた


 デ「……こいつをつけてるってことは無関心って訳でもないみたいだな」

 『こ、これは、何と言いますか、えっと……』

 デ「あの高層ビルの時もつけてたよな? 
   もしかして贈った時からつけてくれてんのか??」

 『せ、せっかくだから… っデザインも好きだったので…!!』


このヒンジブレスレットはデッカードが数年前に
ある出来事をきっかけとしてカレンに贈ったものだった
デッカードはそれを肌身離さずつけてくれているという事実に
一層、笑みを濃くし左手首を解放した


 『あと何ですか、さっきの… おれの女って…』

 デ「言葉の通りだ、他に意味があるか?」

 『……それに、あの高層ビルで再会するまで全く音沙汰がなかったですし、
  ……どうしてるのだろうと思ってました 』

 デ「お前の誕生日や記念日には花を贈ってただろうが」

 『……あの送り主不明の花束はやっぱり貴方だったんですね、
  何となくそうじゃないかとは思ってましたよ』


カレンの誕生日や記念日には毎年、
送り主の書いてない花束が自宅に届けられていた
花束はなぜかカレンの好みのど真ん中


 『今度からは名前を書いて下さいね?? ……じゃなくて!!』

 デ「なんだ、まだあんのか??」

 『どうしっっきゃ!!!!!!!』

 デ「っ!!!!!!」


言葉を続けようとしたそのとき、突如、
ガラスを吹き飛ばすほどの爆風と灰色の煙が全員に襲い掛かった

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