長編
□始まりはベルリン
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夜のベルリンのとある倉庫で地面を揺らすほどの大爆発が起こった。
その爆発の中から、五台の車が次々と飛び出してきくる。
レ 「注意を逸らすだけじゃなかったのっローマン!!」
『むしろ注意を引いちゃってませんか!?』
カレンはレティの運転する車の助手席でPCを操作しながら、無線を通じてレティと共にローマンへ苦情を申し立てた。
ロ 「あれで注意を逸らした!!!」
テ 「どんだけ爆薬をつかったんだよ?!」
ロ 「わからねぇよっテズ!! ……全部かな?」
テ 「全部だって?!」
ホ 「っローマン!!何を考えてるんだ!?」
ラ 「はぁ〜……」
ローマンの爆薬全部発言にホブスは怒鳴り、ラムジーはため息をついたのだった。
レ 「前からファンクラブが来たよ!」
『……さすがに多いですね』
正面からくるファンクラブという名の敵の多さにカレンは口元を引き攣らせた。
先頭を走るドミニクの車は、正面から来る敵から逃げるために道を曲がり、
他の四台もドミニクに続いて曲がったが……
テ 「まだ追ってくるぞ!」
ロ 「あいつら、かなり怒ってやがる!」
ホ 「建物を爆破して電磁パルス砲を奪ったんだ、ケツの穴に指突っ込まれたのと同じくらい怒るのは当然だろう」
『もしも何の前触れなく自宅を破壊されたうえに金品は強奪されたと思ってください、…私だって怒りますよ』
ホブスとカレンは敵が怒っている理由を淡々に口にした。
ロ 「冷静に言うんじゃねえよ?!」
ド 「フェイズ2だ!!」
ロ 「フェイズ2?! 勝手に作戦変えんなよな?! フェイズ1はどうなった?! 飛ばすのか?!」
テ 「いつだったか飛行機で動けなくなったよな??」
ロ 「……あぁ、あれはエンジンの故障のせいだ」
レ 「タマが縮みあがったんでしょ?」
ローマンのとぼけるような発言にレティは笑いながらいじる。
そんな気の抜けるようなやりとりをしている中でも、敵の集団は必死に追いかけてくる。
テズはこれから起こることを知らないローマンに、簡単かつシンプルにアドバイスをした。
テ 「俺についてこい、いいな?! ローマン、とにかくお前は …考えるな!」
ロ 「…え?」
ド 「テズ、落とせ!!」
ドミニクの言葉を合図にテズは手元のとあるレバーを下げた。
テ 「爆弾投下」
ド 「今だ、散れ!!!」
ドミニク達五台の車は道の端に急いで寄った瞬間、巨大な鉄球が車の脇をすり抜けていった。
何も知らない敵の車は正面から迫る巨大な鉄球に吸い寄せられるようにして押しつぶされていった。
ロ 「っちょ?!?!」
ホ 「ふぅーー」
『……わぉ』
それでもつぶれたのは前方の車だけであり、後方にいた車はまだ追いかけてきている。
ロ 「鉄球かよ、テズ! なんだよ?! それにまだ何台かは無事だぞ?!」
テ 「あ〜 ちょっと待ってろよ?」
鉄球は遠心力により来た道を戻ってきた……つまり今度は後ろから。
ロ 「うおぉぉ?!!やべぇ!!!!」
最初の鉄球攻撃を無事にすり抜けた数台の敵は、後方から来る鉄球に気づくことなく鉄球の餌食となってしまったのだ。
ロ 「っひでぇぞ、テズ!!」
……ローマンの車のバックミラーを巻き込んで。