Harry Potter  ビル

□憂鬱と勉強
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新学期が始まって初日、
クラルスたちはホグワーツの大広間にて
新1年生の組み分け儀式を眺めていた。
・・・ハリーとロン以外は。

ハリーとロンはなぜか汽車に乗っていなかった。
そしてその理由を誰も知らない。
クラルスはもちろん、ハーマイオニー、ウィーズリー兄妹は
この2人がいない現状にそわそわしていた。
クラルスは教職員席にスネイプ先生がいないことも気掛かりだった。

そして、新入生歓迎会に参加していなかったスネイプが
姿を現し、マクゴナガル先生とダンブルドア校長を連れて
また出て行ってしまったのだ。

「おい、ジョージ、姫。
 スネイプが2人を連れて出ていったぞ」

『どうしよう、嫌な予感しかしないわ・・・』

「ロニー坊は新学期早々にやらかしたみたいだな」

きっとママから吠えがメール届くぜ、と双子は言った。
吼えメール…この双子と共に行動するようになってから、
何度もクラルスは見てきた。
もちろん全て、双子宛てに届いたものだ。

そして、ある噂が流れた。
ロンとハリーが空飛ぶ車で墜落して退校処分になった、と。

クラルスたちは歓迎会を終え、談話室に戻ってきた。
その後ハリーとロンが談話室にやってくると、
一部を除いたグリフィンドール生から盛大な拍手が巻き起こった。
一部とはクラルス、ハーマイオニー、パーシーのことだ。
みんな、空飛ぶ車で登校したことを褒め称えている。
クラルスは叱る気にならないが褒める気にもなれない。
とんでもないことをしてくれた、と。
ハーマイオニーはものすごく怒っていた。

『・・・ハーマイオニー、今日はもう寝よう?
 彼らに何を言っても今は通じないわ』

「お姉ちゃん・・・そのとおりね、
 明日にするわ」

ハーマイオニーはおやすみと言って、女子寮に入っていった。
クラルスも寝ようとフレッドとジョージに声を掛けようとしたが
この騒ぎでは話しかけることは無理だと判断した。
クラルスは誰にも声を掛けることなく女子寮に入った。

眠りに就く前にビルに手紙を書いた。
あのデート以来、文通の頻度は増えていた
今回の内容は空飛ぶ車事件についてかな、とクラルスは思って書き始めた。

翌日、クラルスは双子と大広間で朝食をとっていた。
クラルスの髪にはビルから貰ったバレッタがついている。
このバレッタは周りから好評で、みんなから似合っていると褒められた。

その時、大広間いっぱいに吼える声が響いた。

《車を盗み出すなんて、退校処分になってもあたりまえです!!
 首を洗って待ってらっしゃい!承知しませんからね!!》

どうやら、昨日の件で吼えメールが届いたようだ。

「来た来た、ママの吼えメール!
 寝ぼけた頭も一気に覚めるぜ!」

「今学期一番の吼えメールをロニー坊が貰うとは!
 俺たちの弟は最高だぜ!」

『・・・貴方たち、吼えメールが来ても
 私のそばでは開けないでよね。
 それよりも、吼えメールを来ないように
 過ごしなさい!!』

フレッドとジョージはまるで吼えメールをもらうことが
名誉だとでもいうように喜んでいた。

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