Harry Potter  ビル

□勇気の種類
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玄関ホールの上からクラルスはある光景を眺めていた。

ハリー・ロン・ハーマイオニーがマクゴナガル先生と何か話している。
マクゴナガル先生が抱えていた大量の本を床に落とし、焦っている。
少なくともいい雰囲気ではない。
しばらくすると、マクゴナガル先生は落とした本を拾い3人から
離れ見えなくなった。
残った3人はひそひそと話し込んでいる。
今度はスネイプ先生が近寄ってきた。
スネイプ先生に何か言われたのか、
今度は3人が入口に向かって歩き出し、
スネイプ先生も職員室の方に歩いて行ってしまった。

『また、何かに首を突っ込んでるのかしら・・・』

それを眺めながら、不安な顔つきになるクラルス。

『変な気を起こさなければいいのだけど・・・』

「まったくですな」

『っ!!』

クラルスは急に聞こえた声に肩を跳ね上げて、振り返った。
そこには先ほど職員室に向かったはずのスネイプ先生がいた。

『ス、スネイプ先生・・・』

「Ms.グレンジャー、君の妹とその友人は
 なにを企んでいるのですかな??」

スネイプ先生はクラルスを見下ろしながら、問いただした。

『さ、さぁ、妹たちも遊び盛りですから、
 疲れる試験がやっと終わったので
 なにをして羽根を伸ばそうかと話し合っているんじゃ・・・』

「ほう・・・」

今回もクラルス自身はハーマイオニーたちがしていることを知らない。
だが、スネイプ先生の目はまるで信じていなかった。

『姉が、妹やその友人のやることに詮索したり口出しするのは
 ただのおせっかいや迷惑でしかありません。
 妹には妹の学校生活がありますから。
 ・・・私は、賢い妹の判断を信じます』

クラルスは反感を買うのがわかっていながらスネイプ先生に
ハーマイオニーたちを庇う発言をした。
あの品行方正なクラルスがここまで言うことに、
スネイプ先生は苦々しい顔をして1つ息を吐いた。
諦めたようだ。

「・・・姉ならば、妹に善悪の区別のつけ方を教育することだ」

そういうと、スネイプ先生は今度こそ職員室に向かった。

クラルスはハーマイオニーを信じるとは言ったものの、
先ほどの光景が忘れられず、胸騒ぎが収まらない。


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