長編

□6
2ページ/2ページ



 リ「教えてくれ」

 バ「なんだ?」

 リ「いつから趣味が自殺になった?」

 バ「遺書はある」

 リ「恐らくダチは俺だけだろうな」

 バ「たくさんいるよ」

 リ「テーブルの下に逃げ込まれちまう癖に」

 『っふふ』


バーニーはリーの言葉とカレンの笑う声に
もの言いたげな表情をした。
2人の会話を黙って聞くカレンは
微笑ましそうにずっと笑みを浮かべている。


 バ「恋しかったよお前が、カレンもな」

 『私もですよ、また共にできて嬉しいです』

 リ「俺もだ、このろくでなしが」

 バ「ろくでなしは余計だろう、カレンを見習いやがれ」


コックピットに座る3人は顔を見合わせ
この再会に笑って喜んだ。

飛行機後部ではガンナー、トール、ドムがガルゴの
マシンガントークの洗礼を受けていた。
ガルゴ以外のその表情はいい加減にしてくれ、と
はっきりと書いてあるがガルゴは気づかない様子。

バーニーの無線に連絡が入った。
CIAのマックス・ドラマーからだった。


 バ「はい」

 マ「バーニー、これは相当覚悟のいる事態だぞ
   NSAが捕らわれたメンバーの携帯信号を突き止めた
   敵はそれを隠そうともしてない」

 バ「場所は?」

 マ「アズメニスタンだ」

 リ「ハネムーンにはもってこいだな」

 『うるさい都会から離れてゆっくりできそうですね』

 マ「おい、誰だ?」

 リ「リー・クリスマス」

 『カレン・サリバンです』

 マ「まだそんな時期じゃないだろう、女の方はかなり若そうだ」


マックスのからかうような呆れた声が聞こえてくる


 マ「アズメニスタンは奴の傭兵の訓練地
   つまり完全な要塞だな」

 リ「現地の軍がいるだろう?」

 マ「彼は何を聞きたがっているんだね?」

 バ「国軍の状況だ」

 マ「小規模で腐ってる
   幹部はみんな、ストーンバンクスの言いなりだ
   奴はここ数年アズメニスタンを拠点に活動してた
   ……助言がある」

 リ「助言ってなんだ」

 マ「口の利き方を知らん奴だな」

 バ「確かに俺もそう思ってる」


今度はリーがもの言いたげな顔でバーニーを見た。


 リ「よく言うぜ」

 バ「助言ってなんだ」

 『本当に、まったく同じ言い方ですね』

 マ「約束を忘れんでくれ
   恨みはさておき、生け捕りにするんだ」

 バ「裁判に持ち込んだところで無罪になったらどうする?」

 マ「これは命令だよ、バーニー」


命令、の言葉を聞いた瞬間、バーニーはマックスと
話していた無線機を後ろへ放り投げた。


 リ「あ、壊した」

 バ「予備がある」

 『予備、取ってきましょうか?』

 バ「いや、大丈夫だ」

 リ「そうだ、壊した本人が取りに行けばいい
   カレンはここから動くな」

 バ「まだガルゴに警戒してるのか?」

 リ「俺のカレンに気安くさわるからだ」

 バ「束縛は嫌われるぞ」

 リ「カレンなら喜ぶ、…だろ?」

 『えぇ、まぁ』


リーはカレンの腰に回した腕の力を強めた。
飛行機が動いてからずっとこの状態である。
リーの問いに2つ返事でもちろんと応えたいカレンだったが
バーニーがすぐ横にいる手前、さすがに恥ずかしかった。
そして、話が戻る。

 
 リ「生きて帰れそうか?」

 バ「無理してこなくてもよかったんだぞ?」

 リ「そりゃそうだな、だが、
   馬鹿にはダチが必要だ」

 『それとちょっとしたことでは死なない仲間も』

 バ「っふ」


飛行機はアズメニスタンへ向かう


.
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ