長編

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アメリカに着くとヘイルはすぐさま病院に運ばれ入院した

病室のベットで意識がないまま横たわるヘイル
その周りでメンバーが見守っている
廊下で医者と話していたバーニーが病室に入る


 バ「……幸運を運んでくれる」


バーニーはベットの脇にある机に幸運の指輪を
置いて病室を出ていった

病室に残った誰もがヘイルの痛々しい姿を
ただただ見つめることしかできなかった

ヘイルを残し病院を後にするメンバー
いつものバーに集まり一つのテーブルを
囲うようにして席に着いた
そしてバーニーが話を切り出した


 バ「……俺もこんな言い方はつらいが
   お前たちもそりゃ最強のチームだった
   たぶん今もな
   だが永遠には続かない
   聞きたくないだろうが
   生憎俺達には未来などもうない
   過去の遺物だ」

 リ「…それで、
   いったい何が言いたいんだ?」


バーニーが話すことはいい内容ではない
リーの疑問はバーニーの話を聞く者みんなが
思っていた


 バ「この先もこんな家業のままだったら
   行き着く先はただ一つ俺たちはいずれ
   人知れずどこかで野垂れ死にすることになる
   だが、そうせざるおえないのなら俺は受け入れよう
   俺はな」


バーニーは一度言葉を区切ると
自分に向くメンバーの顔を見渡した


 バ「ただし、お前らが死ぬのは
   受け入れられない
   受け入れるつもりもない」

 ト「どうするかはそれぞれだろう?」

 『自分の生き方は自分で決められます』

 バ「……これを機に予定を変える」


トールとカレンの言葉を聞きつつ
バーニーは言葉を続けた


 バ「……お前も俺も
   ここにいる全員、足を洗う
   終わりだ」

 ド「終わり?
   脱獄させてもうクビかい?」

 バ「生きるんだよ、お前らはな
   生きられるだけ生きろ」


バーニーは席を立ちあがり背を向けようとする

 
 『バーニー!!』

 バ「カレン
   お前はまだ若い
   これからの人生を大切に生きろ」

 リ「どこへ行くバーニー?!」


リーの呼びかけもむなしく
バーニーはバーを出て行ってしまった
リーも追いかけて後を追う
他の者は椅子に座ったままそれを見送った


 『これからの人生って……』

 ガ「何を考えてやがるんだ……」


誰もがバーニーからの突然な解散宣言に
理解が追いつかず呆然とするしかなかった

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