Harry Potter  ビル

□ホグズミード
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ハニーデュークスでお菓子を買うと、4人は外に出た。
ハリーだけはマントを着ていないためブルブルと震えている。
クラルスは自分が巻いていたマフラーを外すとハリーの首に巻き付けた。

ハリ「えっ、いいの?」

『この方が顔も隠れるし、このままでは風邪を引いちゃうから』

4人は頭を低くして吹きつける風をよけながら歩いた。
ロンとハーマイオニーは口を覆ったマフラーの下から叫ぶように
ホグズミードの店を案内している。
クラルスは最後に"三本の箒"でバタービールを飲んで帰ることを提案し、
ハリーも文句を言うことなく、それに頷いた。

ロ「僕が飲み物を買ってくるね」

ロンがバタービールを持ってきてくれるため、
残った3人は店の奥の方にあるクリスマスツリーの影になったいるような
テーブルを選んでロンを待つことにした。
5分後、ロンは4人分のジョッキを抱えてやってきた。
泡立った熱いバタービールだ。

「「「「メリークリスマス!」」」」

4人はぐびっとバタービールを飲んだ。
体の芯から隅々まで温まる心地に4人の顔は無意識に笑顔を浮かべていた。
・・・だが、一瞬で背筋が冷えることになった。

"三本の箒"にマクゴナガル先生・フリットウィック先生・ハグリッド・
そして魔法大臣のコーネリウス・ファッジが入ってきたのだ。
とっさにロンとハーマイオニーがハリーをテーブルの下に押し込んだ。
同時にクラルスはそばにあったクリスマスツリーを魔法で少し動かして、
先生たちから4人が見えなくなるようにした。

他の人が見たら、見事な連携プレーだと思うだろう。

クリスマスツリー越しに先生たちの会話が聞こえてくる。
4人は先生たちがここからいなくなるまで、じっと耐えなければならない。
"三本の箒"の店主、マダム・ロスメルタの声が聞えてきた。

ロ「大臣、どうしてこんな田舎にお出ましになりましたの?」

ファ「他でもない、シリウス・ブラックの件でね。
  ハロウィーンの日に、学校でなにが起こったかは、
  うすうす聞いているだろうね?」

ロ「うわさは確かに耳にしてますわ。
  大臣、ブラックはまだこのあたりにいるとお考えですの?」

ファ「間違いない」

マダム・ロスメルタの疑問にファッジはきっぱりと言い切った。
マダム・ロスメルタの不満げな声が聞こえてきた。

ロ「吸魂鬼が私のパブの中を2度も探し回っていったことをご存じかしら?
  お客様が怖がってみんな出て行ってしまいましたわ・・・」

ファ「ロスメルタのママさん、私だって君と同じで連中が好きなわけじゃない。
  用心に越したことはないんでね…残念だが仕方がない…先ほど連中にあった。
  ダンブルドアに対して猛烈に怒っていてね、城の校内に連中を入れないんだ」

マ「そうすべきですわ。
  あんな恐ろしいものに周りをうろうろされては、
  私たちは教育ができませんでしょう?」

フリ「まったくもってその通り!」

マクゴナガル先生とフリットウィック先生は吸魂鬼を校内に入れないことは、
ダンブルドア校長と同意見だと言った。

ファ「にもかかわらずだ、
   連中よりもっとタチの悪いものから我々を護るために連中がここにいるんだ…
   知っての通り、ブラックの力をもってすれば・・・」

ロ「私にはまだ信じられないですわ」

マダム・ロスメルタが考え深げに言った。

ロ「どんな人が闇の側に加担しようと、シリウス・ブラックだけはそうならないと、
  私は思ってました…あの人がまだホグワーツの学生だった時のことを
  覚えてますわ。もしあの頃の誰かがブラックがこんなふうになるなんて言ったら、
  私きっと"蜂蜜酒の飲みすぎよ"って言ったと思いますわ」

ファ「…君は話の半分しか知らないんだよ、ロスメルタ。
   ブラックの最悪の仕業はあまり知られていない」

シリウス・ブラックが人を殺した以上に最悪のことがあるのだろうか・・・
クラルスたちもその話を聞こうと必死に耳を澄ました。

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