Harry Potter  ビル

□ハロウィン
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ハロウィーンの朝、ホグズミード行きの日だ。

クラルスは朝食を早々に済ませ、早くから図書館に引きこもっていた。
だが、途中でわからないところがあり躓いてしまったのだ。
クラルスはこれでは時間がもったいないと思い、荷物をまとめて図書館を出た。
誰か先生を捕まえて問題を解いてしまおう・・・と。
そこで1人歩くハリーと出くわした。
ハーマイオニーから聞いたが、ハリーはホグズミード行きの許可証に
サインをもらえず、残っているという。

『はぁい、ハリー』

「・・・やあ、クラルス」

『元気がないわね』

理由が理由なだけに、ハリーの元気がないことに納得をしてしまう。
クラルスはなんとか元気になってもらえないかと、頭を回転させた。

『ハリー、今年はダメでもきっと行けるわ』

「なんでそう言えるんだい?」

『吸魂鬼がいるのも例の脱獄犯が捕まるまでだもの。
 それにマクゴナガル先生がダメって言っても、
 ダンブルドア校長にはまだ相談してないのでしょう?
 まだ方法が残っているわ』

「そうだね・・・」

ハリーの表情はまだ暗かった。
クラルスは勉強のための時間にするつもりだったが、予定を変えた。
これならちょっと興味を引いてくれるだろうと。

『ハリー、良ければ私と話をしましょう?』

「・・・たとえば?」

『・・・フレッドとジョージとリーの悪戯回想録、とか?』

「っええ!!?」

『あ、もちろん私は一切かかわってないからね?』

ハリーはびっくりしたと言ってバクバクいう胸を落ち着かせた。
クラルスも一緒になって悪戯をしていたと思ったらしい。
ハリーはクラルスの思惑通り、興味を持ったようだ。
どこかで座って話そうと移動していると、2人を呼ぶ声が聞えた。

「ハリー?クラルス?」

ルーピン先生が自分の部屋のドアの向こうから覗いていた。
声の主はルーピン先生だった。

ル「なにをしている?ロンやハーマイオニーはどうしたね?
  クラルスまで?」

クラルスはルーピン先生の言葉に心の中であ〜あ、と思った。

ハ「ホグズミードです」

『私はまぁ、ハリーと話そうかなと…』

ル「ああ」

ここで勉強と言ってしまうとハリーに気を遣わせてしまうと思い言葉を濁した。
ルーピン先生はじっとハリーとクラルスを観察した。

ル「ちょっと中に入らないか?ちょうど次のクラス用のグリンデローが届いたところだ」

ハ「なんですって?」

『グリンデローがですか?』

クラルスとハリーはルーピン先生の部屋に入った。
部屋の隅に大きな水槽が置いてあり、緑色の生き物が入っている。

ル「水魔だよ、こいつはあまり難しくないはずだ。なにしろ河童の後だしね。
  コツは、指で締められたらどう解くかだ。
  異常に長い指だろう?強力だが、とても脆いんだ」

どうやらハリーの授業で使うようだ。
クラルスはグリンデローの前に河童もやっているのかと思うと、
その河童の授業も含めて、一緒に受けてみたくなってしまった。

 

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