Harry Potter  ビル

□失った妹と真犯人
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クラルスはクィディッチ観戦のために競技場に向かったが、
そこにはロンだけで、ハーマイオニーの姿がなかった。

『あら、ハーマイオニーはどうしたの?』

ロ「図書館だよ」

『図書館?』

ロ「ハリーがまた声を聞いて、
  そしたら思いついたとかなんか言って図書館に行っちゃった」

『・・・声?』

ロンはポリジュース薬の時のようにしまった、という顔をした。

ロ「・・・クラルスって隠し事をさせない魔法でも使ってるのかい?」

『使ってないわよ、それで、声ってどういうこと?』

ロ「…ハリーにしか聞こえない声があるんだ」

『ハリーだけに?』

ロ「そう、しかも聞こえるのは怪物が現れるときばかり」

『・・・ねぇ、それって、』

クラルスは言葉を続けようとしたが、マクゴナガル先生のアナウンスにより
遮られ、スタジアム中から野次や怒号がとんだ。

ロ「中止だって?!」

『なにがあったのかしら』

クラルスとロンは、生徒の群れから抜け出し、
マクゴナガル先生とハリーのもとに駆け寄った。
マクゴナガル先生はクラルスの姿を見つけるととても悲しそうな表情になった。
その表情を向けられたクラルスは、ドクンと嫌な胸の音を感じた。

マ「グレンジャー・・・貴女も一緒にいらっしゃい・・・」

『マクゴナガル先生?』

ロンが一緒でも反対せず、四人は城に戻り大理石の階段を上った。

マ「ショックを受けるかもしれませんが、また襲われました。
  ・・・また2人一緒です」

先生はドアを開け、3人も中に入った。
マダム・ポンフリーが、長い巻き毛の女子学生の上にかがみこんでいた。
制服の色を見る限りレイブンクローの学生だとわかる。
問題は、その隣のベットで寝ている人物だった。
クラルスはそれが誰なのかわかると走り出した。

『ハーマイオニー!!』

ハーマイオニーは身動きせず、見開いた目はガラス玉のようだった。
クラルスはハーマイオニーに恐る恐る触れてみるが石のように硬かった。
妹のあまりの姿にクラルスは、両手で口を覆い涙を流す。

『いやっそんな・・・』

マ「…2人は図書館の近くで発見されました」

2人のそばには、小さな丸い鏡も落ちていたそうだが
それが何を説明しているのか誰もわからなかった。

マクゴナガル先生はハリーとロンをグリフィンドール寮へ送っていった。
クラルスは夜になるまでハーマイオニーのそばから離れなかった。
夜になるとマクゴナガル先生の付き添いによりグリフィンドール寮に戻った。
ゆっくりと談話室に入ると、暗くなった談話室に人影が見えた。
フレッドとジョージだった。

クラルスは2人の姿を見つけると、何も言わずに2人の胸に飛び込んだ。
フレッドとジョージも何も言わない。
ただ、胸の中で泣くクラルスをずっと抱きしめてくれていた。

それからというもの、クラルスはいつも通りに真面目に授業を受けている。
しかし、口数や笑顔は激減した。
大切な妹があんな目にあってしまったのだ、仕方がない。
まわりも気を遣って、ハーマイオニーのことをあえて話題にはしなかった。

数週間がたった、ある日の朝食の席でマクゴナガル先生から発表があった。
マンドレイクの収穫により今夜、石にされた人たちが目を覚ます、と。
この発表に多くの生徒の歓声が爆発した。

クラルスが心の底から胸を撫で下ろしていると、クラルスの前に座っていたロンが
試験のことを聞いたハーマイオニーは気が狂うと話していた。

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