お題・短編

□どうしよう可愛すぎる
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僕はリーマス・ルーピン、
グリフィンドール寮の5年生で監督生をしています。

僕は、恋をしました。

その子は、ミコト・ヨイヅキ、
グリフィンドール寮の4年生できれいな黒髪を持った日本人の女の子。
はじめて見かけたのは、図書館。いつも同じ席で、綺麗な姿勢で座っていた。

最初はなんとも思わなかったんだけど、何度か見かけるうちに、気になってきて…。

窓から入る穏やかな日差しが彼女の黒髪をキラキラとさせてたんだ。
それが本当に印象的で、どんな子なのか気になって、
ゆっくりと近づいて顔を覗き込んでみたんだ。
彼女は僕に気づかなかったけど、その顔はとっても穏やかで・・・僕は夢中になった。

それから僕は何度か彼女を見かけ、そして、勇気をもって話しかけたんだ。
前の席に座ってもいいかってだけなんだけどね。
最初はキョトンとしていたけど、すぐにいいよって言ってくれた。
すごく、嬉しかった。

僕は手に持って小説を読むふりをして、彼女を盗み見た。
彼女は手元の小説に夢中で、僕が見ていることに全然気がつかなかった。
窓から入る日差しで艶のある黒髪はキラキラしていて、
白い肌、長いまつげ、伏せられた目、ピンクの唇・・・
儚くもある彼女の雰囲気は、とても魅力的だった。

「(いつまでも、見てられるかも・・・)」

そんなことを考えて、ボーっと見ていたら、気づかないうちに眠ってしまったんだ。

誰かに肩をゆすられる感覚で目が覚めたんだけど、最初は夢かと思ったんだ。
彼女が、さっきよりずっと、近くにいたから。
でも、夢じゃないってわかったから、彼女が起こしてくれたってことが嬉しくて、
おもわず「おはよう」なんて言っちゃったんだけど、
君も首をかしげながら「おはよう」って返してくれて、その姿がまた可愛くて。

チャンスだと思って、名前を聞いてみた。知ってたけど、話をするきっかけ作りになるから。
そしたら「ほぇ?」って声をだして、恥ずかしかったのか白い頬は赤くなって・・・
でも、最後にはちゃんと教えてくれて、赤く染める様子も全部含めて、本当に可愛かった。

その彼女の可愛さに浸っていたら、夕飯の時間だって言われた。
それは遅れるわけにはいかないよね、わざわざ起こしてくれたんだから。
立ち上がって横に並んだら、ミコトちゃんは思ったより小さくて、見上げてくる顔も可愛くて、
ジェームズやシリウスじゃないけど、なんだかもっといろんな顔を見て見たくなった。
ここで手を繋いだら、どんな顔をするのかなって・・・
大広間に行くのを口実に、その白い手を繋いでみた。
振り払われないか心配だったけど、ミコトちゃんはされるがままに僕についてきてくれた。
ミコトちゃんの手は、小さくて柔らかくて、とっても温かかった。

大広間まで距離があったから、困惑してる君に話しかけながら歩いた。
このせっかくの時間を、無言には絶対にしたくなくて。
僕が正直に君を観察してたって言ったら、またその顔を赤く染めちゃった。

大広間の前についたから、手を離さなくちゃだったんだけど、
これっきりになんてしたくなかった僕は彼女に約束を取り付けたんだ。
きっとその時のミコトちゃんは、雰囲気に流された感じだったと思う。
でも「はい」って言ったから、言質取ったってことでね。

一緒に大広間に入っても良かったけど、ミコトちゃんと一緒にいるところを見られたら、
うるさく質問攻めにしてくるから、それは我慢して、
その艶のある黒髪を撫でさせて貰ったんだけど、僕には十分だった。
だって、ミコトちゃんの髪の隙間から見えた耳は真っ赤になっていたのが見えたから。

少しは、僕のことを、意識してくれたのかなって。


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