Harry Potter  ビル

□クリスマス休暇
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外が薄暗くなってきた、
クラルスとビルは指を絡めたまま歩いていた。
目的地は、クラルスの家。近くまでビルが送ってくれるという。

『ビル、ここまでで大丈夫よ、家はすぐそこなの』

クラルスは足を止めビルと向き合った。
ここは家から近い緑の多い公園、昼間は親子連れが多いが、
今は薄暗くなっているため人はいなかった。
ここなら人の目を気にすることなくビルが姿くらましをできる。

「次に逢えるのは、夏あたりになってしまうかな」

『そうね・・・わっ』

ビルが繋いでいた手を引き寄せてクラルスを抱き寄せた。
ビルは背が高いため、クラルスの顔はビルの胸あたりに埋まった。
クラルスも別れを惜しむように、ビルの背に腕を回す。

「帰したく、ないなぁ・・・」

『ビル・・・』

「…お願いだから、学校で無理はしないでね」

『うん…、しないよ』

ビルは少しだけ体を離して、抱きしめていた片手を離し、
そっとクラルスの唇をなでた。
クラルスはなんとなくこれから起こることを理解して、
また顔に熱が集まるのがわかった。

「キス、してもいい?」

『・・・うん』

ビルの顔が近づいて、クラルスは目を閉じた。
軽く触れあうだけのキス、それでもとても甘く幸せだった。
クラルスにとって頬ではなく唇にするキスは初めてなため、
ビルの唇が離れてからもぼーっとしてしまった。

『ビル・・・』

「可愛い、クラルス」

それから目尻に、額、頬に啄むようなキスをおとすビル。
クラルスは恥ずかしさになにもできず、されるがまま。
もう一度、唇に優しく重なって、音を立てて離れた。

『・・・ん』

「ん、ごめん、つい、可愛くて」

『つい…もう』

クラルスは恥ずかしさに死にそうな思いだった。
手を唇の上に置いて、ビルを見上げた。
ビルはごめんと言っているがその顔はとても幸せそうで、
クラルスも微笑んで幸せそうに見つめた。

この日、クラルスとビルは恋人同士になった。



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