Harry Potter  ビル

□勇気の種類
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学年末パーティーの日になった。
この何日間はハリーのうわさでもちきりだった。

クラルスは正面にフレッドとジョージ、
隣にハーマイオニー、一つ開けてロンという順番で
パーティーに出ていた。
そして、ハリーが大広間に姿を現すと、今までの何倍も騒がしくなった。
ハリーはハーマイオニーとロンの間に座った。
ダンブルドアも現れた。

「また1年が過ぎた!」

クラルスにとっては、去年より楽しく、心配の多い1年になった。

「それではここで寮対抗杯の表彰を行うとしよう。
 点数は次のとおりじゃ。
 4位グリフィンドール312点 3位ハッフルパフ352点
 2位レイブンクロー426点 そしてスリザリン472点」

スリザリンのテーブルから歓声があがった。

「よしよし、スリザリン、よくやった。
 しかし、つい最近の出来事も勘定に入れなくてなるまい」

ダンブルドアの言葉にスリザリンからは笑いが消えて
大広間全体が静かになった。

「まずは、ロナルド・ウィーズリー君。
 この何年間か、ホグワーツで見ることができなかったような、
 最高のチェスゲームを見せてくれたことを称え、
 グリフィンドールに50点を与える」

グリフィンドール寮から歓声が沸き上がった。
フレッドとジョージは良くやったとロンの頭を撫でまわし、
またパーシーは他の監督生に自分の弟だと自慢していた。

「次に・・・ハーマイオニー・グレンジャー嬢、
 火に囲まれながら、冷静な論理を用いて対処したことを称え、
 グリフィンドールに50点を与える」

ハーマイオニーはクラルスに抱き付いて、肩に顔をうずめた。
クラルスはうれし泣きをする妹を抱きしめ、
一緒に喜びを表すように声をかけた。

『っ良かったね、ハーマイオニー!』
「っうん、っうん!」

これでグリフィンドール寮は100点も増えたのだ。

「3番目は、ハリー・ポッター君・・・
 その完璧な精神力と並外れた勇気を称え、
 グリフィンドールに60点を与える」

またしても歓声が沸き上がった。
これでスリザリンと同点。
2つの寮が1位を取ることなどあるのだろうか…。

「・・・勇気にもいろいろある」

ダンブルドアが話し始めたことにより、
大広間はまた静けさを取り戻した。

「敵に立ち向かっていくのにも大いなる勇気がいる。
 しかし、味方の友人に立ち向かっていくのにも同じくらい
 勇気が必要じゃ。
 さらに、危険だと理解しながらもその者を信じ送り出すことにも
 同じようにとても勇気がいる。
 ・・・そこでわしは、
 ネビル・ロングボトム君に10点、
 クラルス・グレンジャー嬢に10点を与えたい」

今までで一番大きな歓声が起こった。
クラルスは何が何だかわからなかった。
ただハーマイオニーが目が赤いまま嬉しそうな顔を見せて、
フレッドとジョージが姫!やった!と叫んでいた。
でも、だんだんと理解できて、顔には笑顔が浮かんだ。

「したがって、飾りをちょいと変えねばならんのう」

ダンブルドアが手をたたいた。
次の瞬間、スリザリンのグリーンの垂れ幕が真紅に、
銀色が金色に変わり、ヘビが消えてライオンが現れた。

今年の寮杯はグリフィンドールが勝ち取ったのだ。

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