お題

□桃龍
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とある平日の昼下がり。
モモタロスは、いつものようにだらだらとデンライナーの中で過ごしていた。
その日、ナオミは買い出しに出かけており、ハナと良太郎はミルクディッパー。
ウラタロスはナンパへ、キンタロスは、散歩へ出かけており、デンライナーには、リュウタロスと二人っきりの状態だった。
しかし、リュウタロスは部屋で昼寝をしているため、食堂車には居ない。
暇だなーと考えながら、窓から見える砂景色を眺めていた。
一応、リュウタロスとモモタロスは恋人同士だ。
だが、恋人らしいことと言えば、この前手を繋いだこと。
まるで小学生同士のような恋人関係にあった。
モモタロスは、どうにかしてそれを抜け出したいと考えていた。
もっとかっこよく、もっと大人っぽく・・・。
必死に頭の中でイメージトレーニングをしていると、食堂車のドアが開いた。
振り向くと、眠そうに目を擦っているリュウタロス。
リュウタロスはてくてく歩いてくると、モモタロスの向かい側に座った。
「おはよぉ・・・」
「おう」
リュウタロスは、何回か瞬きをしてから、大きな欠伸をした。
可愛い、なんて思っていると、リュウタロスは、ハッとして、モモタロスを見た。
「あのね!!すっごい面白い夢を見たの!!」
「どんなだ?」
リュウタロスは、目を輝かせながら楽しそうに語り始めた。
腕を大きく広げたり、表情をコロコロ変えたりするリュウタロスが愛しくて、モモタロスの顔が自然と綻ぶ。
「それでね!!」
幸せな時間が、ゆっくりと流れる。
モモタロスは心の中で、やっぱり、焦んなくてもいいかもな、と思いながら、リュウタロスの頭を撫でた。

END
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