鬼滅夢

□休日
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ちゅ、ちゅ、 ……

静かな部屋に 2人の唇が重なる音だけが響く。

義勇はゆっくりと半身を起こすと
薄暗い中 てらてらと光る彼女の唇を見下ろし
こくんと喉を鳴らした。

( …… 猥りがましい眺めだ )

この白くて細くて、自分よりもずっと小さなこの子に
今まで手を出さずに来れたのに……

自分を男だと認識していないような態度に
彼女を如何にか身を持って分からせたいと。
其れに乗っかる欲望も
全然 治まってくれそうにない。

「…… お前は隙が多過ぎる。」
「え?」
「経験の有無など問うな。火をつけるだけだ。」

自分だから良かったものの という言葉は
口に出さずに、首を傾げる彼女の頬を撫でた。

少しはだけた襟元から覗く首元に顔をうずめる。
白く柔らかい首を はむと甘噛んだ。

「あっ ………」

首筋、鎖骨、肩と 唇を這わせながら
ゆっくり丁寧に彼女の衣服を剥いでいく。

袖から腕を抜かせ 全て脱がせ終えると
露わになった乳房に
自分でも情けないほど昂っているのが分かった。

既に自らの下半身も痛い程
衣服を押し主張するのを感じる。
此れを口に運んで貰えるようになるには
また時間を要しそうだなと思いながら
ぐりと彼女の太腿に擦り付けた。

初めてダイレクトに感じる
義勇の " 男 " な部分を露骨に表され
すこし 恐怖の色も含まれたような目を丸くして
体をビクと固める彼女。

そんなうぶな反応を寄越されても、
今更やめるつもりはない。
男は皆こうなんだと今 分からせなければ
今後いつ他の男を煽るのか気が気で無いし。

そのまま 乳房を貪るように口に含んだ。

「っ ひゃ 、あ 義勇さっ ……!」

甘く、おいしいと感じる。

(俺は変態なのだろうか)

何度も何度も舐め上げながら
彼女の反応を乞うように見上げると、

「あっ! あっ 、」

顎を上げて善がる彼女が、無意識か、
気持ち良さから逃げるように義勇の肩を
ぐいぐい離れるように押してくる。

その手を優しく取ると、
だん、と床に押しつけた。

吃驚して自分の方に顔を向ける
彼女の両手の自由を奪ったまま、
またゆっくりと目を合わせて 乳房を口に含み直す。

「……っ ! あ、」

どれだけ力を入れても義勇に押さえつけられた
腕は ぴくりとも動かない。

そのまま右と左と 交互に与えられる
柔らかい義勇の舌の感触に
腰が揺れ、かなしいほど 声が漏れる。

「あ…っ う、う… は 、」

ころころと舌で転がし、吸われる度に
だんだんと息が荒くなる。

逃げられない快感に 剥き出しの雄に
感じた事のない怖ささえ感じるのに
それよりも 気持ち良さが追い越してきて
頭でなにも考えることができないようだった。

義勇の唇が胸から離れると
くてんと首を垂れ、はあ、はあと息を整える。

そんな彼女を上からじ…と見下ろしながら
片手は床に縫い付けたまま、空いた方の手で
ゆっくり 腹、太腿と指を滑らせる。
身体に触れる度に 震える肩が、かわいい。

下着に辿り着くと くいと手を滑り込ませた。

「っひ、 ちょ 、義勇さんそこは、」
「?……ここを解さないと、入れられない。」

若い男児のようながっつき方をして
自分でも余裕がないなと思っていたけれど、
軽い腰を持ち上げ 下着を足先まで下ろした。

「っ 」

びくと震える彼女の唇に小さく唇を落とす。
唇をすこし離すと互いの吐息がかかる距離で
見つめ合い、また唇を合わせた。

長い指を下に這わせると
くち、と溢れる愛液が音を立てる。

「…… 触ってもないのに濡らしすぎだ、」

男を喜ばせる要素を持ちすぎている彼女が
改めて心配で出た発言だったが、
露骨な物言いに顔を真っ赤にした彼女に
むす、と睨まれた。

「?」睨まれた理由もわからず
ゆっくり、 そのまま 指を奥へと進めていくと
ぬぷぬぷと熱い肉壁に包まれていく。

「っ あ、あ 」

ゆっくりピストンするように指を抜き差しすると、
卑猥な音と共に彼女の下半身がびくびくと跳ねた。

「ンンっ 、ん 、んー!」

ぎゅうと目を瞑って、快感に
いやいやと顔を横に振る彼女の表情を
じっくりと見つめながら
手の動きを少しずつ早めていく。

必死に与えられる刺激から逃げようと
腰を浮かせ 足をひねらせる彼女が
一層 甘く、高い声で鳴いた。

「っ あぁ !あ、ぎゆうさ 、や っ… 」

押さえられていない方の震える手をなんとか伸ばし、
卑猥な動きを止めようとしない義勇の腕を
弱々しくも懸命に掴むが、
一切気にも止まらぬようで ずると指を抜くと
そのままクリトリスをぬるぬると
圧をかけるように優しく擦ってきた。

「あっ あ!そこだめ、 だ めで すっ…! 」
「んー …」
「だめ、 っあ あ 、あ ぎゆうさっ、 や」

ぬちぬちと指の腹で横に動かしていた指の
動きをどんどん早めていく。

「っひ う、あ あ っ あ、やだぁ っ… ! 」

「…… 好きだ、」

「っ !! 」

指を止めずに額に唇を落とすと
真っ赤になった顔を隠すように
彼女が手の甲で顔を隠す。

「何が嫌なんだ。」
「っ い、いき そっ で 」
「…… 構わない。 」


絶頂に導くように、また手の動きを早めながら
顔を隠すために腕を上げた彼女の
露わになった乳房に吸い付く。

「あ、 あ あー!」

その途端 再び腰を大きく浮かした彼女は
ビクビクと爪先まで痙攣させながら
気持ち良さそうに身を捻った。

「っ … はあ、 は ー…… 」

ぐぐと反り上がった腰をとす、と下ろすと
くったりと身体中から力が抜けている。

「………上手だ。」

熱の余韻を逃すように、
内壁をゆるゆると撫でると
まだ敏感にひくひくと肩が揺れている。

(………挿れたい …)

淫靡な眺めに
理性とか体裁とかよりも、
動物的な欲望に駆られる。

想像を超える色めかしい彼女の姿に、
義勇の腰も結構限界だった。

かちゃかちゃとベルトを外し
早々に自分の服を脱ぎ捨てると
まだ全然くたりとした彼女の腰を両手で持って引き寄せた。

「あっ」

昂った己を数回手で扱くと、
すぐにまだ熱く溶けた 彼女の孔に宛てがう。

「えっ、えっ 」

「…挿れるぞ。」

入り口に押し付けると、
ふにと押し返されるように厚い襞に阻まれる。

「は......」

人数こそ少ないが、今まで経験したどのおなごよりも
きつく締め付けながら己れを迎え入れる様に
ぬぷとぬぷと蠢く其処に
今から挿れるという想像だけでまた自身がじわりと湿った。

正常位で 少しずつ腰を進めて行く。

「 っ く ……… 」

あまりの気持ちよさに腰の動きが止まる。

押し寄せる快感に唐突な射精欲に襲われた。

長い前髪の間からちらりと見遣ると、
緊張に眉を下げ、そろ、と腕を此方に
伸ばしてくる彼女が目に入る。

「は、 はぁ … っ、きす してくださいー 」

痛みもあるのか 少し涙を浮かべて
「ぎゆうさん」と甘えるように
自分の首に腕を回す彼女に、
どくんと心臓が波打つような感覚がした。

「……だから、 人を煽るな、っ」

相手の唇に噛みつくと同時に
一気にぐぐ、と腰を進めた。

「ンっ ンン〜!」

「っ は … 」

「ン は、は、 ンン 」

短く息を吐きながら異物感に耐える彼女の
髪をかき上げてやるように頭を撫でると
少し横を向かせ、 露わになる首筋に
つつ …と舌を滑らせてみる。

「ひぅ っ…」

過敏になっているのか
すこし背中をそらせながら顎を上げる様に
引き寄せられるように 柔らかい肩口に噛み付いた。

「いっ …」

彼女が痛みに眉を顰めるも
間髪入れず 首の付け根にまたがぶ、と噛み付くと
同時にまた ゆるゆると抜き差しを再開する。

「ん、うー … ! は ぎゆう、さん いたい 」
「でも締め付けられている。」
「っ .....! 意地が、わるいです......っ 」
「お前が悪い…。」

赤く滲んだ首元に ちゅ、と優しく
唇を当てると、体を起こし
相手の膝の裏を持つと ぐいと持ち上げるように
大きく開かせた。

「!?!?」

あまりにも恥ずかしい体制と
目に飛び込んでくる義勇の汗がにじむ裸体に
真っ赤になりながらあわあわと口を動かしていると、
見せ付けるようにぬこぬこと腰の動きを再開させる。

「あっ あ、 あっ ! 」

快感について行くのが精一杯で
またぎゅうと義勇にしがみ付くことしかできない。

痛みにも慣れ、 与えられる律動に合わせて
甘い声が漏れ出始めると、

一瞬すう...と腰を引いた義勇に
ずくっと突然 最奥まで突き立てられた。


「、あぁっ!!」

「っ は、 … 」

とっくに奥まで入りきれていると思っていたのに
突然 さらに奥深く入ってきた彼自身に
びくびくと跳ねる脚が抑えられない。

今までが加減、してくれていた様だ。

何か伝えたくても、もうぐちゃぐちゃな
頭と体じゃなにも言葉にならない。

「っ は ふ、 おっき … おく、」

「… はぁ… また、」


無垢な彼女の無意識に淫らな言葉にも
想像を超える中の締め付けにも
くらくらと目眩がする。限界だ。

奥まで突き入れたまま
慣らすように腰を揺らす。
彼女の息が整ってくると、
その動きを段々と早めていった。

無駄なく鍛え上げられた、
美しいとも言える筋肉で覆われた肉体から
小さな彼女には 激し過ぎるくらいに
無慈悲に、強い力で打ち付けられる。

ぱんぱんと体同士のぶつかり合う音が心地いい。

いつも優しい義勇だが、今は
彼女の身体のことなど考えられない程に
欲に忠実に 腰を振っていた。

夢中で。


「あっ あ あ あっ ぎゆ、 さっ ー.... っ!」






_







(…………やってしまった、)

これなのだ。

大切にしたい想いも勿論だが、
一度自分の欲に素直になるとタカが外れた様に
なりふり構わず腰を振ってしまう、
この自分の一面もあり、彼女に手を出せなかった。

半ば気を失う様に
ぐっすりと眠ってしまった彼女の横で、
肩を落とし落ち込む義勇。

(……… きらわれて、無ければいいが…。)

すやすやと眠る彼女に目を向ける。

涙の跡と、首に 腰に残る赤い傷に
先程までとは打って変わって
ひとりでわたわたと頭を抱える義勇。

「…… 無理をさせたな。」

眉を下げながら 手を伸ばすと
すっと 顔にかかる髪の毛を耳にかけて
ちゅ、と優しく口付けた。

すこし冷たくなった肌に気づき、
寝室に運ぼうと 彼女を姫抱きする形で
軽々と持ち上げる。

すると深い眠りに落ちたまま、よっぽど
腰が痛むのか「う…」と彼女が眉を顰めた。

(……………自粛しよう。鍛錬が足りないようだ。)

性欲は 他の欲に充てる事で解消することが
できるものだと本気で思っている義勇が、
次に彼女と交わったのは
三ヶ月程後の事だったという。









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