家族日記
□左近と高嶺の花
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神浜市立大附属学校高等部敷地内にて
「見てみて、モニカ先輩よ!」
「きゃーっ!素敵っ!」
なんてギャーギャー騒ぐが、俺にはモニカ先輩とやらの良いところが分からない。
だが、文武両道で高嶺の花と呼ばれており、主に女子生徒から『女神』という扱いをされている。
男子生徒からは毎日のように告白されているが先輩は断っているらしい。
そういえば俺のこと言ってなかったな。
俺は島左近。
神浜市立大附属学校高等部1年生。高等部の生徒会の………雑用係だ。
部活中
信玄「幸村ぁ!」
幸村「お館様ぁ!」
以下略
俺は三成様の代わりにサッカー部と野球部の様子を見ることになった。雑用係なのに何故なんだ?
エリカ「幸村さん、頑張ってくださーい!」
幸村(え、エリカ殿が応援してくれている……!この幸村、嬉しいでござる……!)
佐助「旦那ー、顔赤くなってるよ」
政宗「Ha!想い人に応援されて顔赤くしてんじゃねぇよ。こっからでも見えるぜ」
さくら(私も応援したら政宗も……?)「政宗、今度の練習試合頑張ってね?負けたらずんだ餅作ってあげないわよ」
政宗(な、な、な、な、なんなんだこの俺killer!?上目遣いってどういうことだよ!?)
小十郎「政宗様、貴方も顔が赤くなっております」
政宗「Shut Up!」
……なんだこのバカップル達。
「あら、羨ましいの?」
左近「べ、別に羨ましくない……ッス?」
見上げると高等部の高嶺の花、モニカ先輩がいた。
佐助「も、も、モニカ先輩!?」
モニカ「ごめんなさい、驚かせてしまったわね」
モニカ先輩は確か文芸部に入っていたはずなのに……何故ここに?
モニカ「今日は気分転換にグラウンドに来たけど……弟達は争ってないかしら」
左近「弟達……?」
モニカ「あ、野球部部長の政宗とサッカー部のエースの幸村のことよ」
左近「あぁ……」
モニカ「そういえば……あなたのお名前はなんて言うの?」
左近「俺は島左近、生徒会の雑用係ですけど……今回は三成様の代わりにサッカー部と野球部の様子を見ることになっているッス」
モニカ「そうなのね……私、あなたのこと気に入っちゃった」
数秒間の沈黙。
左近「ファッ!?」
モニカ「もっとあなたのこと聞かせてほしいわ、好きなこととか……」
先輩は妖艶な笑みで俺に問う。
つか俺マジいろんな意味でやばくね?
「あ、いたいた。モニカー!」
どこからか声が聞こえた。
モニカ「ごめんなさい、サヨリ。ちょっとスランプ気味だったのよ。今行くわね」
先輩は微笑みながらさようなら、と言い、サヨリ先輩のところへ向かった。
しかし、モニカ先輩といるのも満更でもないと思った俺だった。