if story

□One Song Glory
1ページ/13ページ



頭が痛くて気持ちが悪い。
目を開けようとしてるのに、何かに抑えられていて開けられない。
これは多分目隠しの布だ。

落ち着いて現状を整理してみる。
今わかるのは、辺りが暗いこと、近くで呼吸の音や物音がしないから俺1人だってこと、右側を下にして転がされていること、手首と足首を縛られていること、鼻と口は自由がきくこと、埃っぽいにおいがするから多分ここは普段は使われてない場所だってこと。

あまり音を立てないように顔を床に擦り付けて目隠しが外せないか試してみる。
運良く目隠しが外れてようやく周りを確認してみる。
窓がなくて、荷物が多くて、明かりがついてなくて、階段があって、上から話し声と明かりが漏れている。
どうやらここはどこかの店の地下物置の隅みたいだ。
そばにある木箱の蓋から釘が出ていたから、手を縛っている縄の結び目を引っ掛けてなんとか解く。
上の階からはマーレの軍備についてとか故国の軍と部隊がどうだとかいう会話が聞こえてきていた。

そして急に静かになった。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ