story

□Caresse Sur L'ocean
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夏もさらに深まってきて、このところは半袖でも熱くて仕方ない。
よく晴れた日の昼に外を走ろうものなら間違いなくカラカラに干上がって枯れ果ててしまうだろう。
隣の教室では頑張り屋な誰かが我慢のしすぎで倒れて医務室送りになったらしく、育成中の戦士候補生がこれ以上の無茶をして死なないようにと教官方の温情でしばらくの間訓練が早朝から昼までとなった。

そして、ついに明日からひと月の休みになる。
休みといっても座学の教官が出した課題があるし、休み中ダラダラ過ごして他の候補生に遅れを取るわけにはいかない。
むしろここで巻き返して休み明けに見返さないといけない者もいるだろう。

それは予備隊である僕らにも言えることで、カルロなんかはいち早く休み中の機銃の貸し出しや訓練所解放の許可をもらいに行っていた。
カルロはすでに充分機銃の操作や扱いに慣れているように見えるけど、だからといって他の人に追い越されるわけにはいかないのだろう。

僕は機銃の扱いは確かに不得手だけど、不得手だからってそこにばかり構ってもいられない。
僕は僕の特技を伸ばすことにしよう。
というわけでこの休み中の僕の予定は家で読書に決定!
別にサボってるわけじゃない。断じて。
本屋である実家の方が蔵書量も多く、古びた図書室よりは最新の情報も得やすいのだ。
売り物だから持ち出せないのは仕方ない。
断じてサボってない。
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