story

□O Magnum Mysterium
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あれから随分川で遊んでいたけど、そろそろ夕方だ。川から上がりながらガイアに声をかける。
「ガイア、今日はもう帰ろうか。」
「何で?まだ大丈夫だろ?空も青いし。」
「そうだけど…蝉の声がしないだろ?もう夕方なんだよ。そろそろ帰らないと寒くなって風邪を引いちゃうし、大人も心配する。」
「そっか、もう夏だから空の色はアテにならないのか…」
本には書いてないもんなぁ、と言いながらガイアも川から上がってシャツを拾った。

「うちの兄さん達も帰るのが遅くなるとやたら怒るんだよな…オンナノコなんだから早く帰ってきなさい!って。」
僕は男だっての…とガイアがぼやいているけどちょっと待ってほしい。待って?今なんて言った?は?なに?

木々が風に揺れる音がやけに大きく聞こえた。
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