story

□Les Avions en papier
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あの日は結局カブトムシを見つけることはできなくて、しかもそのまま雨季が到来し森にもなかなか入れなくなってしまい、この数日ガイアは落ち込んでいた。
だからようやく晴れた今日がこんなに暑くて水浴び日和なのは俺たちにとってもすごくありがたかった。
俺が行く頃には渡り廊下にはすでにガイアが待っていて、川!川!!と叫びながら跳ねていた。

まだ湿っている森の中を走り普段より早くたどり着いた川岸は狭くて、このところの雨で水位が上がった川はその割に流れも緩やかで。潜るにも泳ぐにも、飛び込むにもぴったりにみえた。
俺が急いでシャツを脱ごうと服に潜っているうちにすでにバシャバシャと水音がしてガイアが水に入ったのがわかった。
「ガイア!服脱ぎなよ!あとで風邪ひくぞ!」
「ライナーって意外と“おりこうさん”なんだね!」
シャツを脱いで見るとガイアのズボンはだいぶ高くまで捲り上げられてはいるもののすでにずぶ濡れで、川岸には脱ぎ散らかした靴と靴下が散乱していた。
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