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□sex friend
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「冗談、ですよね…?」

向かい合う気まずさに苦笑いで問うがハハッと乾いた笑いを返された。

押し倒されたベッドからはリリーさんの匂いがする。普段から二人で飲んだりもしていた。今日みたいに彼の家に来たこともある。でも、こんな事今まで一回も無かった。


「冗談でこんなんせぇへんよ」

「なに、する気…ですか?」

「なにって、ナニ?」

近づく距離に思わず顔を背けると首筋に柔く甘噛みをされた。そのまま耳や頬にキスを落とされてぞわぞわと鳥肌が立つ。
欲を写す彼のその目が怖くてもう目を合わせられない。


「なんで、今…」

「したいからやろ、今」

「なんで、私なんですか…」

「なんでって…」

「女の子なら他にも沢山…っ、」


涙が溢れそうになって言葉に詰まる。
だって、私知ってる。
リリーさんは、私のこと好きなんかじゃない。


「色々と都合がええから、かなぁ?」

「都合…?」

「面倒な女抱くよりずっとええわ。!普通にかわええし」


あぁ、ある程度の容姿と口が硬ければ何でもいいんだこの人。

この後、私がリリーさんの恋人とか、そういう何かになる事はない。ただ、今セックスするだけ。



「…もしかして泣いてる?」

「…っ、いえ」

泣いているのを気付かれたくなくて背を向ける私を後ろから抱きしめるリリーさん。背中に小さくキスをしてそのまま腰に下がる。開かされた脚の間に顔を埋める彼の髪を掴むと手を取られ指を絡ませた。

今までの関係を一瞬の欲求を満たす為に壊すなんて動物的すぎる。



「っ、リリーさん…、あっ」

「むっちゃ気持ちええ…クセなりそうやわ」

「やっ、激しい…っ、ああっ!」

「なぁ、!」

「…、?」

「俺も好きやで、!のこと」

「…っ、」

私の気持ちに気づいててこんな事するんだ。
動物的じゃなくて人間らしいな。面倒なことが嫌いなリリーさんらしい。最低だけど。


「両想いやろ、俺ら」

「そう、ですね」


キスは酷く甘くてむせそうになるほど。
噛み癖があるのか鎖骨や首に沢山痕をつけられた。
いつまでも繋がっていたいと思う反面、明日が来ないでほしいと願う。

優しく微笑むリリーさんの笑顔を最後に私は目を閉じた。





sex friend

(虚しさだけが残るね)




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