2

□ポニーテール
1ページ/1ページ




すれ違う度に柔らかく揺れる川西さんの髪。久しぶりに会った彼の髪はパーマがとれてサラサラのストレートになっていて、やはりこの川西さんのほうが好きだなぁ、なんて。


「パーマ、やめたんですね」

「セットするの面倒くさくなってん」

「ふわふわで可愛かったですけどね?でもストレートのほうが素敵ですよ」

「ありがとう、!ちゃんがそう言うならもう絶対パーマせぇへんわ」

顔をくしゃくしゃにしながら笑う川西さん。そんな思わせぶりなセリフ、さすがF4と呼ばれていただけある男だ。



「!ちゃんは、ポニーテールが似合うなぁ」

「そうですか?もう暑いので切ろうかと思ってたんですけど」

「ええやん、長いの。女の子やなぁ、って思うで」

「…っ」

不意に近づく距離。仕事の邪魔にならぬよう後ろに束ねたポニーテールに触れる川西さん。正面からそれに腕を伸ばされ、あまりにも近い距離に固まってしまう。
きっと私の気持ちは見透かされているのだろう。熱が集まる私の顔を見て、ふはっと笑う川西さんに更に頬が熱くなる。


「…ポニーテール好き、ですか?」

私の髪に指を絡ませたまま、近すぎる距離。私の問いかけに少し屈んで目線を合わせる。



「うん、好き」

にっこりと微笑む川西さん。

その彼の返答に簡単な女だと分かっていながらも、もう少し伸ばしてみようと思うのだった。




ポニーテール

(揺れる後ろ髪に惹かれていた)




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ