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□ポニーテール
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すれ違う度に柔らかく揺れる川西さんの髪。久しぶりに会った彼の髪はパーマがとれてサラサラのストレートになっていて、やはりこの川西さんのほうが好きだなぁ、なんて。
「パーマ、やめたんですね」
「セットするの面倒くさくなってん」
「ふわふわで可愛かったですけどね?でもストレートのほうが素敵ですよ」
「ありがとう、!ちゃんがそう言うならもう絶対パーマせぇへんわ」
顔をくしゃくしゃにしながら笑う川西さん。そんな思わせぶりなセリフ、さすがF4と呼ばれていただけある男だ。
「!ちゃんは、ポニーテールが似合うなぁ」
「そうですか?もう暑いので切ろうかと思ってたんですけど」
「ええやん、長いの。女の子やなぁ、って思うで」
「…っ」
不意に近づく距離。仕事の邪魔にならぬよう後ろに束ねたポニーテールに触れる川西さん。正面からそれに腕を伸ばされ、あまりにも近い距離に固まってしまう。
きっと私の気持ちは見透かされているのだろう。熱が集まる私の顔を見て、ふはっと笑う川西さんに更に頬が熱くなる。
「…ポニーテール好き、ですか?」
私の髪に指を絡ませたまま、近すぎる距離。私の問いかけに少し屈んで目線を合わせる。
「うん、好き」
にっこりと微笑む川西さん。
その彼の返答に簡単な女だと分かっていながらも、もう少し伸ばしてみようと思うのだった。
ポニーテール
(揺れる後ろ髪に惹かれていた)