BOOKその1
□いつもより
1ページ/1ページ
Sana side
長かった親友という関係から恋人という関係になって数ヶ月が経った。とはいえ何かが大きく変わったわけではない。そういう行為も何回かしたけれど…愛を伝えるのもサナだけで、ももりんはホンマにサナのこと好きなのかと疑ってしまうくらいだ。今日だってサナは1人だけ仕事で1日会えないってだけで寂しいのに…どうせ宿舎で他のメンバーと遊んでて…とか考えてたら悶々としちゃうので撮影に集中して気にしないことにしよう。
ほら。せっかく宿舎に戻っても全然興味はないみたい。
「お疲れ様ですサナオンニ」
「んん〜ツウィや〜迎えてくれるのはツウィだけだよ〜」
「なんかあったんですかオンニ」
「いや、なんでもないで〜ありがとな〜」
よっぽどツウィの方が気にかけてくれてるみたいだ。こんなはずじゃなかったのにな…なんて考えながら部屋で荷物を片付ける。並んでるももりんとサナのベットを見てるとなんだか虚しくなってくる。
しばらくして部屋のドアが開いた。サナとももりんの2人部屋に入ってくるんは…ドアを見れば予想通り入ってきたのはももりんだった。言いたいことは色々あるけど少しは恋人としての可愛げを見せてみようと思った。
「ももりん、ただいま」
そう言っても何も言わないももりんはどこか不機嫌そうな顔で何も言わずに近づいてくる。思わず後ずさりするも後ろにはベッド。サナの首に手を回してそのままベッドに倒れ込んだ。引っ張られて思わず手をついた瞬間、目の前に広がるももりんの顔。今日1日会えなくて寂しかった分を埋めるように深くキスをした。まあももりんはそこまで寂しかったりせえへんよなとか思ったらちょっぴりさみしい気もした。
こういう行為をする時はいつもサナが上なんだけど…いつもももりんは声を抑えて全然出さないし、愛の言葉を伝えるのもサナばっかりで本当に気持ちよくさせられてるのかいつも不安になる。お互い口数少なく行為だけが進んでいく。
寂しさを埋めるように、耳に舌を這わせ両手は既に上半身が露わになったももりんの胸を弄る。ももりんにしては珍しく身体がピクピクしているのが伝わってくる。鼻に抜けるような甘い声も…なんか変な薬でも飲んだんかな…
そんなことを思ってると「んあぁっ!」と一層大きな声をあげ、ももりんの体がビクッと跳ねた。状況が飲み込めなくてぼーっとしていると肩で息をしながら見上げてくるももりんの瞳はうるうるしていて頬は紅潮していて…なんというか…えろい
「ももりん、胸だけでイッちゃったん?」
「ええやんか…べつに…早くつづき…」
消え入るような声でそう言いながら恥ずかしそうに横を向くももりんに愛しさが爆発して、震える手で下も脱がした。既に下着が意味を為してないそこに手を這わせた。ちょっと意地悪してみようかなと思い外だけをなぞっているとピクピクと太腿の震えが大きくなっていく。これはもしや…と思っていたらまた身体を震わせる彼女。
「え、え、ももりん…?大丈夫?」
「はよ挿れてよ…」
ももりんにそう言われては挿れるしかない。サナの指1本をするすると飲み込んでいくほどに濡れたソコは痛いくらいにサナの指を締め付けてくる。ほぐすように指を動かせばいっそう大きくなるももりんの声。本当に珍しい。そろそろ限界が近いのか中の痙攣が強くなる。
「さー、たんっ!あかんっ…」
「イクん?いつでもイッていいで」
「さなぁ!さな…」
うわ言のようにサナの名前を呼ぶ彼女に強く抱きしめられる。耳元でかすれた声で喘ぐ彼女に寂しかった心が満たされていく。
「さな、すきっ…好きやで!っああっ!」
「ももりん、愛してるよ」
そう耳元で囁くと今までで一番大きく身体を震わせた。
まだ余韻の残る彼女を気遣いながら綺麗に後処理して、一緒にお風呂に入った。
「なぁももりん今日感じすぎちゃう?」
「いや、ちゃうねん…その…」
「ももな、今日1日会えなくて寂しかってん…うちはいつもあんまり好きとか言わへんけど、さーたんはいつも言ってくれるやん、うちも言おうとは思ってたんやけどいざ言うとなると恥ずかしくてあんま言えなかったんよ…こうやって2人で居れるって幸せやなって思ったら…その…ちょっと感じすぎちゃって…やばかったんやけど…」
なんだ。ももりんだってそう思ってくれたんだ。そんな簡単な事実に気付いただけで、勝手に目から溢れる涙を抑えることは出来なかった。ももりんに抱きつけば強く抱きしめられる感覚。心がじんわりとあったまるような感覚。これを幸せと言うのだろうか。
「本当にももりん感じすぎてたよな〜最後なんてサナの声でイッたんちゃうん?」
からかうつもりでそう言うと顔を真っ赤にして俯くももりん。
「なぁももりん、サナ今本当に幸せ」
「ほんならももはさーたんより幸せや」
気持ちを伝え合うのが不器用な2人だからすれ違いそうになる時もあるけど、その度に愛を確かめればいいんだ。この日々が続いて欲しいと横で肩に頬をスリスリしている親友兼恋人の顔を眺めながら思った。