短編・中編/番外編
□no title/竹中半兵衛【短編】
1ページ/2ページ
『半兵衛さーん!!!』
「どうしたんだい、沙夜」
『大好きです〜!』
「っ、あぁ僕も…大好きだよ」
半兵衛さん顔赤い、ふふっ。
『あ、桜綺麗ですね』
「そうだね、沙夜と見ることができて嬉しいよ」
ふわりと風に乗って桜の花弁が私の頭の上に舞い降りる。
「……可愛いね」
『…え!は、半兵衛さん今、か、可愛いって!』
「言ったよ。本当だからね」
嬉しいけど恥ずかしすぎる!
「ふふっ…沙夜、ずっと僕の傍に居てくれるかい?」
『勿論です!絶対離れませんから!』
「…僕が、死んだらどうする?」
『死ぬときも一緒ですよ!当たり前じゃないですか!』
「!…そうか、ありがとう」
『でも、殺されるなら半兵衛さんに殺してもらいたいな〜』
「沙夜、それは僕には、」
『私からのお願いです』
「っ!………絶対に君を殺させない。誰にも。そして僕も死なないよ。沙夜が死んでしまうからね…」
『嬉しいです!一生付いて行きますよ!』
「ありがとう、沙夜」
『えへへ〜♪あ、半兵衛さん、ちゃんと薬飲んでますか?』
「大丈夫、ちゃんと飲んでいるよ。最近は咳も出なくなったし、血も吐いていないんだ」
『良かった…。まだありますか?』
「あと少しで無くなりそうかな」
『わかりました、後で調合しておきますね』
「ありがとう」
そう言って、私の耳に唇を寄せる。
「………次の戦が決まった。同盟を結んだ真田、伊達と共に松永を攻める。殆ど奇襲に近い形で行う。沙夜、君は松永の情報を探ってくれ」
『…了解しました』
全然雰囲気違うんだよな〜。
そこがまた格好いい!
『…私一応忍なのに、全然忍んで無いし、こんなに半兵衛さんと一緒にいて良いんですかねぇ』
「良いんだよ。沙夜は僕の傍に居れば良いんだ。僕のお嫁さんなんだから」
『!お、お嫁さんって…』
「祝言はまだだけど、夜だって一緒に寝ているし、」
『ふああああああ!わ、わかりましたから!』
「…なんで平気で大好きって言えるのに此の話は駄目なんだい…?」
『半兵衛さんだって、大好きって言うのは照れるのに此の話平気なんですか!』
「…好きだよ、沙夜」
『っ!…半兵衛さん狡い〜』
「ふふっ、でも本当だからね」
「………賢人、沙夜。何故そこまで惚気……否、なんでもない」
『刑部さん、こんにちは〜』
「…あぁ、ではな」
「あ!沙夜ちゃん!」
「沙夜様と呼べ」
「いでっ!叩くことないじゃないッスか」
『良いんですよ〜、私忍ですから。三成さんも好きに呼んでくださいね』
「私は沙夜様とお呼びしたいので」
『そうですか』
「沙夜ちゃん、今度城下行こうよ」
『行きます!』
「よっしゃ!半兵衛様と三成様も行きますよね」
「あぁ、僕も行こうかな」
「では、私もお供致します」
『ふふっ、楽しみですね!』
「そうだね」
こうして一緒に笑っていられる日がずっと続くといいな。
あとがき→