短編・中編/番外編

□no title/竹中半兵衛【短編】
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『半兵衛さーん!!!』

「どうしたんだい、沙夜」

『大好きです〜!』

「っ、あぁ僕も…大好きだよ」

半兵衛さん顔赤い、ふふっ。

『あ、桜綺麗ですね』

「そうだね、沙夜と見ることができて嬉しいよ」

ふわりと風に乗って桜の花弁が私の頭の上に舞い降りる。

「……可愛いね」

『…え!は、半兵衛さん今、か、可愛いって!』

「言ったよ。本当だからね」

嬉しいけど恥ずかしすぎる!

「ふふっ…沙夜、ずっと僕の傍に居てくれるかい?」

『勿論です!絶対離れませんから!』

「…僕が、死んだらどうする?」

『死ぬときも一緒ですよ!当たり前じゃないですか!』

「!…そうか、ありがとう」

『でも、殺されるなら半兵衛さんに殺してもらいたいな〜』

「沙夜、それは僕には、」

『私からのお願いです』

「っ!………絶対に君を殺させない。誰にも。そして僕も死なないよ。沙夜が死んでしまうからね…」

『嬉しいです!一生付いて行きますよ!』

「ありがとう、沙夜」

『えへへ〜♪あ、半兵衛さん、ちゃんと薬飲んでますか?』

「大丈夫、ちゃんと飲んでいるよ。最近は咳も出なくなったし、血も吐いていないんだ」

『良かった…。まだありますか?』

「あと少しで無くなりそうかな」

『わかりました、後で調合しておきますね』

「ありがとう」

そう言って、私の耳に唇を寄せる。

「………次の戦が決まった。同盟を結んだ真田、伊達と共に松永を攻める。殆ど奇襲に近い形で行う。沙夜、君は松永の情報を探ってくれ」

『…了解しました』

全然雰囲気違うんだよな〜。

そこがまた格好いい!

『…私一応忍なのに、全然忍んで無いし、こんなに半兵衛さんと一緒にいて良いんですかねぇ』

「良いんだよ。沙夜は僕の傍に居れば良いんだ。僕のお嫁さんなんだから」

『!お、お嫁さんって…』

「祝言はまだだけど、夜だって一緒に寝ているし、」

『ふああああああ!わ、わかりましたから!』

「…なんで平気で大好きって言えるのに此の話は駄目なんだい…?」

『半兵衛さんだって、大好きって言うのは照れるのに此の話平気なんですか!』

「…好きだよ、沙夜」

『っ!…半兵衛さん狡い〜』

「ふふっ、でも本当だからね」

「………賢人、沙夜。何故そこまで惚気……否、なんでもない」

『刑部さん、こんにちは〜』

「…あぁ、ではな」




「あ!沙夜ちゃん!」

「沙夜様と呼べ」

「いでっ!叩くことないじゃないッスか」

『良いんですよ〜、私忍ですから。三成さんも好きに呼んでくださいね』

「私は沙夜様とお呼びしたいので」

『そうですか』

「沙夜ちゃん、今度城下行こうよ」

『行きます!』

「よっしゃ!半兵衛様と三成様も行きますよね」

「あぁ、僕も行こうかな」

「では、私もお供致します」

『ふふっ、楽しみですね!』

「そうだね」

こうして一緒に笑っていられる日がずっと続くといいな。


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