遊戯

□今時の魔法少年【学園編】

■怖いけど、イヤなもんはイヤだっ。■


「イヤダっ!」

 怒鳴ったオレの上から翔真はあっさりと身体を起こした。

「……そこまでイヤならしかたがない。抽選をやり直すことにしよう」

 それ以上オレを見ることもなく服に触ってオレの格好を戻すと杖を手に窓を開けて、窓から外へ飛び出した。

「翔真っ!」

 慌てて見下ろしたオレの前には誰の姿もない。
 そして、母さんに聴いても翔真という少年は知らないと言われるだけだった。

**********

 学校は今日も大騒ぎだ。
 突然現れた学校を支配しようとする敵と女装の魔法使いの話で盛り上がっている。
 女装なのに誰も違和感を感じていないのか可愛いとかどこの女子かと騒いでいるけどオレの目にはあの時、着替えさせられたオレと同じ情けない顔をしたどこにでもいるような男子生徒の女装にしか見えない。
 どこかおかしい。けれど、ゲームから抜けてしまったオレには、オレの他には誰も違和感を感じていないその光景を他の生徒といっしょに見ることしかできなかった。
 何の力もないオレには……


※エンド1※




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