遊戯
□今時の魔法少年【学園編】
■おもしろそうだからやってみる。■
「いいよ。やっても……」
「そうか、ではとりあえず君の家へ行こう」
当たり前のように腕を掴もうとして伸ばされる手を咄嗟に避ける。
「逃げないって別に」
怪し過ぎるほどに怪しい相手に脅えてるなんて情けなくて言えないが、電波系というのをさっぴいても翔真は綺麗過ぎてマネキンが人間のふりをしているようで何となく怖かった。
こんな人外な美形のことをどう説明しようかと思いながら家に帰ると、なぜか母さんが翔真を姉さんの旦那さんの弟と思いこんでいた。が、そのことを詳しく訊く暇もなく勝手にオレの部屋に上がっていく翔真を追いかける。
「まずは着替えてからだな。ボタンを押せ」
うぇーっと思いながらも話しが進まないので、杖のボタンを押し、またあの妙な格好になる。スカートから突き出した足がスースーしてパンツが丸見えになりそうで落ち着かない。
きゅっと締め付けられた感触からいったら下着も別の何かに変わっているのかもしれない。見る勇気はないけど。
無駄にスカートの裾を押えるオレを置き去りに翔真は淡々と口を開く。
「簡単に説明すると君の使命は敵と闘うことだ。場所は君の通う学校で、敵に学校を支配されないようにするのが目的だ。魔法は……」
「ちょっと待てっ、どうしてオレの学校なんだっ」
「イヤか?ならば別の場所にするが……」
何で変えれるんだ。とか、どうしてそんなに詳しいんだ。とか訊くことはいろいろあるはずなのに、感情の読めない翔真にオレは何を訊けばいいのかすら分からなくなってくる。
「……いい。話を続けろよ」
「魔法は4種類で、『フレア』が火で攻撃魔法。『レイン』が水で回復魔法。『スカイ』が風で混乱魔法。『ガイア』が土で変化魔法になっているが、環境によっては仕えない。『フレア』が火の無い場所では仕えないとかな」
「面倒くさい」
ついぽろっと言ってしまったオレを翔真が無表情で見つめてくる。
……し……失敗したかなっ……
「相手にもいろいろ決まりがあるから条件は変わらない。僕は君の質問に答えたり、環境を整えるのが仕事で手は貸してはいけないんだが、……そうだな。条件次第でなら手伝ってやってもいいぞ」
「条件っ……て?」
「僕が触りたいときに君に触らせてもらおう」
「は?」
表情もないままセクハラなことを言い切る翔真にオレは目を丸くする。
「触るって……何で?」
「君は反応が面白い」
触られるのはイヤだが、こんな訳の分からないのを一人でこなすのはちょっと辛いかも……
- ※こうなったら毒喰らわば皿までだっ。
- ※やっぱり、怖いからイヤだ。
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