海賊~long~
□再会は突然に
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ルフィ達との冒険は体験したことのないようなことばかりだった。
ルフィは後先考えないで突っ張り知るタイプで仲間のフォローがいつも彼を助けている。
いいぴったりで見ていてすごいと思うし、本当の家族のようだった。
やっぱり、自分だけが浮いている気がする。
「考え事かしら?」
「ロビンさん...」
彼女は物静かでこの一味の雰囲気とはかけ離れているはずなのに何故か馴染んでいる。
ずっと、そうやって生きてきたのかな...
あの日から...
「ロビンさん、あの、私貴方に言わなくちゃいけないことが」
あるの。そう言おうとした瞬間だった。
「着いたーー!!!」
ルフィの大声にかき消されてしまった。
次の島に着いたみたいでロビンさんはまた後で聞くわ。と言って行ってしまった。
その背中を眺めていたらサンジさんが声をかけてきた。
「名無しさんちゃんは船番と冒険とどっちがいい?」
「あ、行きます。動きたいです」
ここ5年間自由に動きはしなかったから歩きたいし冒険したいと思ってそう答えた。
結局船番は迷子になるからという理由でゾロさんが、それから行きたくないとウソップさんとナミさんが残ることになった。
サンジさんが作った海賊弁当とやらを持って船を降りた。
ロビンさん、ルフィ、サンジ、私。
それからブルックさん、チョッパー、フランキーに分かれて島を見て回ることになった。
「島自体はあんまり大きくないみたい」
「なんかでっけー化物いんぞ!んまそ〜!」
「ったく相変わらず食い意地張ってんな!」
「...」
まるで薄い壁があるみたい。
どこに行っても馴染めない私。
どうしてこんなになったんだろう。
「名無しさん!!」
「名無しさんちゃん!」
三人の声が聞こえてふと見ると化物がこちらに飛んできていた。
「っ、」
つい癖で腰に手を持って行ったけれど刀は差していない。
横に避けるには間に合わないのでそのまま手で受け止めて右へと流した。
右側の樹木だけへし折れて緑がなくなった。
それを見た三人は相当驚いていた。
「強いんだな」
「まぁ、ちょっと武術かじった程度だから」
「かじった程度じゃあんなの無理よ」
「そんな、本当にかじった程度よ。
私武術より剣術の方が得意なの」
きっとドフィはそんなことさえも知らないでしょうけど。
「あらら、危ないじゃないの」
「えっ、」
右側の折れた木々の中から声がした。
聞き覚えのある声。
姿が見えるとやはり想像通りの人だった。
「青キジ大将!?」
「青キジ...っ」
「あら?ニコ・ロビンに名無しさんちゃんじゃない。一緒にいるなんてどういう経緯?」
青キジ大将の質問に答えようとしたらルフィとサンジさんが間に割って入ってきた。
「お前!何でここにいるんだよ!」
「ロビンちゃんだけじゃなくて名無しさんちゃんまで知ってんのか!?」
「あの、二人ともちょっと、多分誤解してます。」
今すぐにでも青キジ大将を殴ってしまいそうだったので間に入った。
「あの、本当はロビンさんにさっき言おうとしてたんですけど、その、私元々海軍にいたんです。」
「え?」
「そうだったのか?」
「はい、もう抜けてるんですけどね。
それで、さっき言おうとしてたのは、ロビンさん、貴方の故郷、オハラのバスターコールでの件を謝りたかったんです。」
そういうとやはりロビンさんの顔は険しくなった。