-関東図書基地-
□さよなら愛した人。
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流血_戦闘_Bad End_キャラ合ってない_主人公(最後しか)出て来ない_おk?
「____小牧さん」
私は小牧さんを見上げた。
小牧さんは、肩で息をしながら、にこりと私に笑いかける。
「良かった、無事で」
ぎゅ、と抱きしめられると、安心からか涙が溢れて、嗚咽が出る。
そんな私の背を撫でて、落ち着かせてくれた小牧さんは、体を離して私を見つめると、
「今から安全な所に行きます。大丈夫?」
そう口が動くと、私は頷いた。
「じゃあ行くよ。俺のそばを離れないで。」
うん。自分の声は聞こえないけど、たしかにそう、返事をする。
再び笑った小牧さんは、ゆっくりと下の階に続く階段に進み、私においで。というように手招きをする。
そんな風に小牧さんについて行って、ついに2階に到着した____
その時だった。
小牧さんの身体がぐらりと傾く。
「小牧さん!!」
「_____!」
早すぎて聞き取れなかった言葉。
でもきっと、下がってて。とか、下がれ、って言ったんだと思う。
何とか踏ん張った小牧さんは、銃を撃つ。
聞こえないけど、きっと耳が痛くなるほど、銃声がしてるんだと思う。
「毬江ちゃ、こっち、おいで、」
荒い息をしながら、手招きをする。慌てて駆け寄ると、小牧さん、と相手を支えた。
「そこの、物陰に、…行こう」
と指差したのは、カウンターの下。
小牧さんを支えながら、何とかカウンターの下に行くと、小牧さんはまた、笑った。
「ごめん、…ね、毬江ちゃん」
「何で謝るの、小牧さんこそっ、大丈夫な____」
ぐ、と口を塞がれて、し、と口元に指を当てる。
「いい?今から別行動をします。君はここに隠れていて。」
そう言うとにこりと笑って頭を撫でてくれた。
「小牧さんは____」
「俺は大丈夫だから。ね」
そう言って銃を構えれば、出ていこうとする小牧さんの服の袖を掴む。
服に滲む血に眉をひそめつつ、言った。
「約束して。小牧さん____幹久さん。必ず、戻ってきて。」
「____…」
少し驚いた顔をした後、返事もせず微笑んで私に背を向けて走っていってしまう。
私は銃声が鳴っているのかなっていないのか、誰かいるのかいないのか分からない空間で、1人小さくなって、誰かが来るのを待った。
何分、何時間かかったかは分からないけれど、肩を叩かれる。
びくりと顔を上げる。そこには___
「毬江ちゃん!」
「____笠原さん____」
良かった、と笠原さんは私を、抱き締める。
でもそんなことより小牧さんが心配で、笠原さん!と声を上げる。
「小牧さんはっ!!??」
「ッ____」
急に悲しそうな顔をする笠原さん。
「小牧、教官は____」
そこからは、私の目を疑った。
『小牧、教官は、…急所を撃たれて、出血多量で、見つかって…病院に運ばれたけど、…多分、もう____』
視界が歪んだ。
大泣きしたかった。
私のせいで____
でもその時、笠原さんの口は、でも!と動いた。
「毬江ちゃんのせいじゃない。小牧教官が、言ってたの。…言ってた、って言うか、書いてたんだ。これ…」
笠原さんは、1枚の紙を差し出した。血に濡れている、メモ帳。
『毬江ちゃんへ。
君のせいじゃないよ。
だから、前みたいに笑って生きて。
さようなら。
小牧幹久』
走り書きで書かれていた。
きっと、意識が薄れゆく中で書いたんだ。
私に。
涙が溢れて落ちた。
そんな私を笠原さんは、目いっぱいの涙を溜めて、抱きしめた。
____さよなら愛した人。
またいつか、出会える日まで。
試し投稿…というか最後思いつかなかった○| ̄|_