Falsa Justitiae

□戦闘訓練
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「んじゃ、次の英文のうち間違っているのは?おら、エヴィバディ、ヘンズアップ!盛り上がれー!!!」



なんて僕達に促すのは英語担当のプロヒーロー、プレゼント・マイク先生。

そう、入試の時のあのDJみたいな人だった。


結構有名なヒーローみたいだけど・・・ヒーローに興味のない僕には分からない。


ノートを取りながら今日の夕飯を何にするかボーッと考えてた。

因みに午前の授業は必修科目の英語とか、現代文とかの普通の授業。ヒーロー科なんて言ってもやっぱりそこは同じなんだね。



血夜「(昼は・・・魚にしよう)」



この学校の学食は、クックヒーロー(そんなヒーローもいるのか)、ランチラッシュ?とかいう人が作る一流の料理を安価で頂ける。

でもさすがに毎日出費を出すわけにもいかないから、週1にしようって昨日決めたところ。家で摂れない栄養とか、家で作らないものを食べる、って感じでね。


だから今日はサバの味噌煮定食を食べた。勿論、友達がいないから1人でね!ぼっち飯ですが何か!?



なんて、ちょっとだけ・・・ほんのちょっとだけ挫けそうになりながら午後の授業へ。

午後は専門的な授業。ヒーロー基礎学だ。



「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!!」



なんて大声と笑い声を上げて教室に入って来たのはbPヒーロー、オールマイト。

興味ないなんて言っても、さすがにこの人のことぐらいは知ってるよ。小さい時からよくテレビに出てたもん。


オールマイトの登場にクラスの皆がざわめく。

シルバーエイジ?のコスチュームだ!とかよく分かるよね。


ポーズをいちいち決めながらオールマイトはヒーロー基礎学について説明し始めた。



オールマイト「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作る為、様々な訓練を行う科目だ!!単位数も最も多いぞ!

早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」


血夜「(早速過ぎやしない・・・?)」



いきなり戦闘訓練とか・・・。

面倒くさいなぁ・・・。



オールマイト「そしてそいつに伴って・・・こちら!!!入学前に送ってもらった「個性届」と「要望」に沿ってあつらえた・・・―――戦闘服(コスチューム)!!!」


「「「おおお!!!!」」」


オールマイト「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」


「「「はーい!!!」」」


血夜「(なんて良い子な返事なんだ・・・)」



コスチューム、かぁ・・・。

要望、アレ適当に書いたからなぁ・・・。

一応、昨日血暁に貰ったカプセルを装備するベルトとか、その他使えそうなものは持ってきたけど・・・コスチュームに合うかな?


格納式のロッカーから出て来た1〜22番までの数字入りのアタッシュケース(これも名簿順っぽいね)を受け取って更衣室へ。



雄英には(多分士傑にも)被服控除っていうシステムがあって、入学前に「個性届」と「身体情報」を提出すると学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれるんだ。

「要望」を一緒に添付することで、便利で最新鋭のコスチュームが手に入るってわけ。(まぁ僕は“超再生”の個性は届けなかったけどね)


血を抜く針とチューブ、それに繋がったベルトの裏に隠せる血液バッグが欲しい。そして動き易さ重視、っていう僕の要望はちゃんと叶ってた。


叶ってた―――んだけども!腹だし+ノースリーブなんて聞いてない!何より、腰!何このホワイトタイガー的腰布!

あぁ、よく見たらこの布、簡易ポンチョみたいな感じになってる。上が寒かったらこれ羽織れ、ってこと?だったら最初からノースリーブにすんなよ。



血夜「(・・・もういいや。どうにでもなれ)」



最後にあらかじめ持ってきておいた形状記憶合金で作られたワイヤーを両腕に巻いて、準備完了。

他の女子のコスチュームを見たらほとんどがピチピチのボディースーツだった。僕のコスチュームは・・・まだマシ、な方かな?







オールマイト「始めようか、有精卵共!!戦闘訓練のお時間だ!!」



皆が集まったのを確認したオールマイトが大声で言う。

で、皆のコスチュームを見渡していくんだ。



オールマイト「良いじゃないか皆。カッコいいぜ!!」



全身ライダースーツみたいな恰好をした男子(ごめん、まだ名前憶えてない)が「先生!」って手を挙げた。

あ、この声・・・あの眼鏡の人だ。



「ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」


オールマイト「いいや!もう2歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!」


血夜「(対人・・・)」


オールマイト「ヴィラン退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪ヴィラン出現率は高いんだ。

監禁・軟禁・裏商売・・・このヒーロー飽和社会、ゲフンッ。真に賢しいヴィランは屋内(やみ)に潜む!!

君等にはこれから「敵(ヴィラン)組」と「ヒーロー組」に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!!」


血夜「(あ、これは・・・)」



また僕があぶれるパターンだ。


皆からの矢継ぎ早な、除籍はあるのか、どういう風に分かれるのか、等の質問にオールマイトは四苦八苦。

オールマイトが言うには、これは基礎を知るための実践らしい。


状況設定は、「敵(ヴィラン)」がアジトに「核兵器」を隠していて、「ヒーロー」はそれを処理しようとしてるらしい。やけにアメリカンな設定だ。

「ヒーロー」は制限時間内に「敵」を捕まえるか「核兵器」を回収する事。逆に「敵」は制限時間まで「核兵器」を守るか「ヒーロー」を捕まえる事、らしい。



オールマイト「コンビ及び対戦相手はくじだ!君等は21人いるから、どこか1つのチームはトリオでやってもらうぞ!」


血夜「(あ、良かった。あぶれなさそう)」



ちゃんと考えてもらえていたのか、適当なだけなのかは分からないけど・・・。

プロは他事務所のヒーローと急造チームアップする事が多いし、そういう事じゃないかな・・・って誰かがフォロー入れてた。


本当にそこまで考えられてのことだったらいいけどね。


で、くじ引きの結果・・・

僕はトリオのチーム、Iチームになった。透明人間な女の子と尻尾を持つ男子と同じチームだ。



血夜「ぇと・・・靱負血夜です、よろしく」


「私、葉隠透!よろしくね!」


「俺は尾白猿夫」


葉隠「靱負さんって入試トップだった人だよね!?」


血夜「え・・・あ、うん」


葉隠「やっぱり!」


尾白「スゲェ!心強いな」


血夜「いや・・・僕の“個性”、そんなに大したものじゃないから・・・・」



えー・・・もしかして入試1位って皆に知れ渡ってるの?

イヤだよ、そんなの。目立ちたくないのに・・・。


とりあえず、葉隠さんも尾白君も良い人そうでよかった。





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