ようこそ、学生アパートへ
□平穏をください
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ジュー・・・
瑠璃「ふぁ〜あ・・・もうちょっと寝ればよかった」
ってことでおはよー。
昨日このアパートに引っ越してきた瑠璃だよ。
若干寝惚けながら、うちは今朝ごはんを作ってるの。
フライパンから目玉焼きを皿に移して、ついでにブロッコリーも入れる。
勿論、そのどっちにもつけるのは・・・
瑠璃「マヨネ〜ズ〜♪」
はい、認めます。うち、生粋のマヨラーです。
ご飯にかけて食べるのもいいけど、さすがにそれだと体重がとんでもないことになりそうだから控えてるの。
マヨネーズをかけ終えて冷蔵庫にしまおうとすれば、ベランダの方で何かが動いたような気がした。
瑠璃「気のせいかな・・・?なんか、上から人の足が見えたような気が」
アハハ、まだうち寝惚けてるのかな。
それか昨日の疲れがとれてないんだね、きっと。
・・・とか思ってたら、
バンッ!
洋一「瑠璃〜〜〜!!ここ開けてくれ〜〜〜!!」
ベランダの窓に張り付いて洋一が叫んでた。
背中から太陽の光受けてて、若干ホラーチックになってるよ!!
瑠璃「・・・・・・」
うちは無言でベランダに近付いて・・・
シャッ―――
洋一の声「Σ何でカーテン閉めんの!?」
うん、うちは何も見てないし何も聞いてない。
さぁ、早く朝ごはん食べようっと。
洋一の声「ちょっ、瑠璃さん・・・?俺、ここの窓とカーテン開けてほしいな〜、なんて・・・・」
瑠璃「あーあー、聞こえない、聞こえない」
耳を塞いでそう言えば、数秒後にすすり泣くような声が聞こえてきた。
あぁもうめんどくさい・・・
瑠璃「ほら、ハウス」
洋一の声「ΣΣ俺は犬か何かですか!?」
瑠璃「用があるなら玄関から来い」
洋一の声「だってこっちの方が近いだろ?瑠璃様、開けてください、お願いします」
瑠璃「ハァ・・・しょうがないなぁ」
カーテンと窓を開ける。
洋一「おっじゃましまーす!」
瑠璃「で、何しに来たの?」
洋一「え?何って・・・
朝メシ食いに来たに決まってんだろ?」
瑠璃「Σ何で当たり前のように言ってるの!?」
洋一「え、朝メシ食わしてくれねーの?」
瑠璃「驚いたよーな顔するな!こっちが驚いたわ!!
大体、何でうちが洋一の朝ごはんまで作らなきゃいけないの!?」
洋一「え、作ってくれねーの?」
瑠璃「だ・か・ら!何でうちが!?」
洋一「いいじゃんかー、友達のよしみだろー」
ブーッと頬を膨らます。
瑠璃「なら海斗のとこに行けばいいでしょ!」
洋一「アッハッハ、〈帰れ〉の一蹴に決まってんだろ」
瑠璃「笑って言うことじゃないから!じゃあ、今まではどーしてたわけ?」
洋一「昨日までは蓮のとこに行ってた」
瑠璃「蓮さんのところ?」
洋一「ああ、自炊出来ねぇ奴等は蓮にメシをお世話になるんだ」
なんて心が広いの、あの人・・・。そしてなんて面倒見がいいの・・・。
食費とかどうしてるんだろ・・・。
ってか・・・
瑠璃「昨日までってどーいうこと?何で今日は行かないの?」
洋一「え、だって瑠璃が作ってくれるだろ?」
瑠璃「だから何で当たり前って感じで言うの!?ってか、どうしてうちが洋一の食事係にならなきゃいけないのさ!!」
洋一「蓮の負担をなくそーと思って」
瑠璃「うちには負担かけてもいいってか!?」
洋一「友達だからいいだろ?」
瑠璃「友達って言葉使えば何でも許されると思うな、お前(怒」
どれだけ言ったって洋一はうちの言うことを聞いたりしない。
さんざん「友達」って言葉で押し切られて、泣く泣くうちは洋一の分の朝ごはんも作る。
あぁ、なんて健気なの、うち・・・
瑠璃「蓮さんより上手くないよ、うち」
洋一「別に大丈夫だって」
瑠璃「そこは〈そんなことない〉って否定しろよ」
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