とある宝石の唄

□転生→宝石〈5〉
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ジェードside


朝礼に昨晩の夜更かしの事もあってか、珍しくギリギリに来たジャスパーの様子がまたおかしい気がした


『お、おはよう…ごめん、遅くなった』


ジェ「まだ始まってないし、別にいいぞ」


『う、うん…』


ジェ「?」


何故か落ち着きなく、周りをキョロキョロしている私の弟の異変を周りも気付いてはいるらしい


ユーク「ジェード」


コッソリと、私の隣に立っていたユークレースが小声で話しかけてきた


ユーク「なんだかジャスパー、変じゃない?」


ジェ「ああ、昨晩の夜更かしで色々あったからな…もしかしたら寝不足とかなのかもしれない」


ユーク「寝不足、とは少し違うと思うのだけれど…あとで僕からも少し聞いてみようかな?」


ジェ「すまない、助かるよ」


私も小声で応えながら話していると、先生が来たので皆背筋を伸ばして聞く姿勢に入る


ジェ「(…ん?)」


その時、ジャスパーがキョロキョロと誰かを探すようにしていた視線がピタッとあるところで止まる

皆は一番後ろにいるジャスパーのその視線の先には気付いてはいなかった
私は興味半分で、その視線の先をなんとなく辿り出した…すると


ジェ「…は?」


先生「ジェード、どうかしたか?」


ジェ「あ!いえ…すみません、気のせいです」


そうか、とまた先生は皆の方に向き直る
議長である私が、皆の手本となるべきなのに他の事に意識を取られるなんてよくないと自分を少し責めた

…が、あれだけは解せない


ジャスパーはその後、聞く姿勢を保ってはいたが何処か上の空の様な感じもあって…そして時々、私が先程辿った視線の先に何度も何度も目配せをしていた


ジェ「(私の…気の所為でなければ、ジャスパーは間違いなく…アイツを見ている、よな?)」


その時の朝礼は、落ち着きのない弟の先にいる、藍色の髪の彼を自然と私まで何度も見ることになった
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