とある宝石の唄

□宝石→転生〈4〉
1ページ/34ページ

夢で見た前世との私…[彼女]と会話したあの夢を見てから、私はある一つの目的の為に、周りの皆に悟られぬようコッソリと、準備を進める


月に行く


『(普通に考えたら自殺行為、でも…あのフォスフォフィライトがしたのと同じような手法を使うとするならば…或いは…)』


夢の中のことをここまで気にして、本気にしているなんて馬鹿げていると言われても仕方がない
でも、私がこの世界に転生した時点で何もかも本気にしてないとやってられない気がする

…というより


『私、今度こそ正直でいたいからなぁ』


ラピス「まるで『前までは大嘘吐きだった』…とでも言いたげな感じだね?」


『!!?…い、いつから居たの?』


ラピス「やだな、ここは図書室だよ?僕がいついたって良いだろう?」


月や月人に関しては、原作でフォスが調べて特に成果がないのを知っていたから特に期待してなかったけど一応と思って来てみたら…


『さっきまでゴーストと一緒に居なかったっけ?』


ラピス「もちろん、あの子達と一緒にいたよ?さっきまでは…ね」


あの子達、多分《中の子》…カンゴームも含めて言ってるんだろう
そういう言い回しをしている辺り、彼もゴースト達の事は案外大切にしている気がする

知識を自分の為に、なんてユークレースは言っていたけれど…
ゴースト達に関してはラピスにとって大切なものが自分だけではない、という事もあり得る気がする


ラピス「それで?」


『え、っと?それで、とは?』


そう聞くとラピスは、彼の癖である髪を触る仕草をしながら、言った


ラピス「ここに来て、何かしている君に」


ラピス「僕が手伝えそうな事はありそうかい?」


『!』


まだ私が二桁程の年齢だったあの時…
昔、図書室で交わしたあの会話を、ラピスはどうやらまだ覚えていたらしい…


『覚えててくれてるとは、思わなかった』


ラピス「君は面白い、だからあんなにも刺激的な約束をそうそう忘れたりはしないさ」


『なるほど、君らしい』


コレは厄介な相手に見つかった気もする
しかし、ここはひとつの勝負所な気もする

私は口角を上げて、ここで一つ、下手に隠すのではなく彼と話す事を選択した
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ