とある宝石の唄
□転生→宝石〈3〉
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私が生まれて、大分経ち…
100歳なんてとーっくの昔に過ぎてしまった
『いやぁ…平和だなぁ』
窓際で、あの時から20年の歳月をかけてようやく完成したアコースティックギターの弦をポロンポロン…と軽く弾いていると…
バァァァアアァアアアン!!!!
扉を乱暴に開く音によって、その平和の文字も消え失せた気がした
ボルツ「おい!今日こそ僕と勝負しろ!!」
『やぁ、ボルツよく来たね?そして答えはノーだ』
そう言っても御構いなしと言わんばかりに飛んで私に剣を振り下ろしてきたボルツの斬撃を避けて、私はギターを抱えて最近オブシディアンに頼んでいたパパラチアのよりもずっと大きいソードを背に逃げる
ボルツ「逃げるな!」
『仲間同士で争う意味が分からないからイヤだ☆』
そうしている私達を見て回りは何も言いはしない
ああ、またか…そんな感じだ
ボルツが生まれて少しして、見回りなどで戦闘の才が開花してからはずっとこうだ
なんでも、私の戦いを見た事がなく、しかしイエローや兄さん達が私の事を強い強いというものだから気になってしょうがないとの事…
『兄さん達が言うほど私別に強くないよー?』
ボルツ「そうかそうじゃないかは僕が決める!!」
『わー…こういう所レッドベリルみたい』
融通がきかない所が特に…なんて言った日にはレッドベリル直々に、口を文字通り縫い付けられそうなので黙っておこう
『まぁ私だって、もう末っ子じゃないしさぁ』
『歳上の余裕ってモノを見せてくれよう』
そう言ってピタリと止まるとボルツはようやく相手にしてくれるのかと思ってニヤリと笑い、剣を構えた
ボルツ「手加減は無しだ…いくぞ」
そうしてボルツが向かって来た時
『まぁ、相手するとは私一言も言ってないけどね?』
ボルツ「は?なぁ!?」
アレキ「きゃあ?!」
部屋から資料を持って出てきたアレキさ…ちゃんにぶつかりかけてバランスを崩す、アレキちゃんもいきなりボルツとぶつかりそうになって驚いたからかその手から沢山の資料達が宙を舞った
『うーん、もっと目の前のこと以外にも視点を置けるように頑張るといいね!それじゃあバイバイ!』
ボルツ「〜〜っ!!」
また逃げられた、そのボルツの叫びが今日の追いかけっこも私の勝ちだと伝えていた