とある宝石の唄

□転生→宝石〈2〉
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『ん〜〜っ…!』


軽く身体を伸ばしながら、私がこの世界に転生してから既に10年程経った事を思い出す


『(10年かぁ…なんというか、本当にあっと言う間だったなぁ…)』


人の人生としてはかなりの年月ではあるが、宝石として生まれ直したからかすごく早く感じた
もっとも、そこに至るまでに私は何度も自分の前世の知識などがバレないよう、なるべく自然に知識が身についた風に振る舞うので大変だった

人間での10歳は大体小学生位だとタカを括っていたが、どうも宝石のように長寿な存在にとってそこまで急いで知識を身につける必要がないらしい
だから、私が思っている以上に授業のペースは遅く、未だに平仮名や片仮名から抜け出させそうにない


『(分かるのにさせてもらえないのがなぁ…)』


こんな所で足踏みなどしてはいられない
このまま原作の時系列に乗り出したら…私は何も出来ないままな気がする


原作を変えていいのかまでは分からないが、何か今まで〈この世界からの何かしら強制的な〉制限を感じた事はない
と、いう事は、もしかすると…というのもあるかもしれないのだ


『何か、いい方法…あ!』


そうして私は一つのアイデアを思いつく
これなら少しだけ、私の学習ペースを早めてもらえるかもしれないし、私もまだこの世界で知らない事を知る事が出来る


『(まさに一石二鳥!よっし、そうと決まればやるしかないね!)』
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