小説2
□真実
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朝、リビングに並べられた布団を片付けなら夏菜子がつぶやく・・
「夜、思ったんだけどさ ここにいるのが私じゃなくて・・別の夏菜子の可能性もあったんだよね?」
弱々しい発言に詩織が答える。
「前にあーりんとも話したんだけど、私たちが引き合ったのって名前じゃないよ絶対!」
「あたしもそう思う!だって、二人の名前知ったのって気になってからだもん」
2人の言葉に初めて詩織と彩夏を見た時の心の衝撃を思い出す。
「確かに!でも・・・もう一人はどこにいるんだろ?ほんとにいるのかなー」
「あたしはいると思う!そしてこの出会いは偶然だけど、必然でもあると思う。」
難しい言葉を織り込みながら熱く語る生徒会長。そして・・・その次の言葉に夏菜子と詩織は驚愕して取り乱すことになる。
「あーぁ みんなも御守りとか持ってれば分かり易いのにな〜・・・・」
「え!!なんて言った?今御守りっていった?」
「は?なんでなんで?うそうそ御守りって?」
「え?二人ともどうしたの?」
「は?なんでなんで?意味わかんない」
「わたしも御守り持ってるし 黄色n
「はいはい!!私も赤い御守り昔から持ってる!」
「え?二人とも御守りもってるの?」
「あーりんも持ってるんだよね」
「ちょ・・・ちょっと待って!!・・・一回落ち着こう・・」
「「・・うん・・」」
彩夏は二人を落ち着かせると部屋に行き小さな小物入れを持ってきた。
彩夏が部屋に行くと同時に夏菜子と詩織も布団の枕元に置いてあるバックからそれぞれ小箱と袋を持ってくる。
まず彩夏がフタを開け、中からピンクの布地に白色の字で《彩夏》と刺繍がされている御守りを取り出す。
同様に赤い布地に《夏菜子》、黄色の布地に《詩織》と刺繍された御守りをそれぞれに取り出す。
三つの御守りを枕の上に並べるも、あまりの突然の出来事にしばらく声の出せない3人。その御守りは偶然などではなく、明らかに誰かの意図が関与していることを表していた。同時に今ここにいる3人は他の誰でもなく繋がれた3人であると証明されたようで感激で胸が熱くなる。
彩夏がキッチンにいるお母さんに報告をすると更に詳細な事実を教えてくれた。
子供がいなかった二人は彩夏が小さいころ施設から譲り受けた。その際、一緒にこの御守りも持たされたとのこと。彩夏という名前とともに・・
おそらく・・いやきっと・・間違いなくこれと同じ御守りを・・ 紫色に《れに》と書かれた御守りを持っている女性がいる。
会いたい・・見つけたい・・探し出してあげたい・・・思いは結束をする。
その日から3人による仲間探しがはじまった。しかし簡単に見つかりそうでそれは困難を極めたのだった。