小説2
□波紋
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「おっ はなほ ほはへひー!」
「ちょっと・・・なんなの?」
「・・・・ゴクン・・夏菜子―おかえりー!」
「・・・そーゆーことじゃなくて・・・」
出前を済ませて部屋に戻ると、詩織がカステラを頬張りながら、たまと遊んでいる。
最近は牧田家の両親にも気に入られたらしく、勝手に上がり込んでることも多い。なぜかお菓子と飲み物付きで・・・。詩織の両親は二人とも遅くまで働いていて寂しいのだろう。
「はー 何なの〜」
ため息をつきながらも実はバイト中、楽しみにもなってきている。
たまから送られてくる侵入者画像が届くと「もー」とか言いながらも口角は上がっている。
「詩織ってさー ほんと私のこと好きn
「うん!大好き」
あまりにストレートな告白にどんな表情をしたらいいのかも分からずに、とりあえず隣に座る。
「何見てたの?」
ちょっとドキドキしながらも、バーチャルの電源が入ってたのに気づき問いかける。
「ん?夏菜子のお気に入りリストのやつだよ。てかさー ・・・・」
「どうしたの?」
なんとなく言わんとしていることは分かったがあえて聞いてみる。
「なんかさー 似てるよね このグループ。言われたことない?」
「うんある!このしおりんて まんま詩織じゃん!ほんと詩織と夏菜子って昔から相性いいんだね」
「おっ なんか嬉しー あっ 私ほかにも似てる子知ってるよ」
「へー 4人揃ったらすごくない?」
少しづつ昔のアイドルに引っ張られていく2人。この波紋は次第に大きくなりいずれ台風のように周囲を巻き込んでいく。