小説2
□再会
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土曜日。
指定された会社まで神父さんのオートカーで送ってもらいながらも、道中騒ぎまくる車内の四人。
この3日間、彩夏をはじめ夏菜子も詩織も必死にMCZの自分は抑えて生活してきた。とはいうものの、時間がたつにつれどっちの記憶なのか想いなのかは分らなくなるほど現在と過去とが融合しつつあった。
れににいたっては抑えることなく気ままに過ごしてはいるが、神父さんは特には何も聞いてはこない。しかしながら、あの日以来《れにちゃん》と呼び方が変わったことから、何か感じ取っているのだろう。
会社に着き車を帰宅モードにし見送ると、夏菜子を先頭に社内に入る。
受付のアンドロイドスタッフを初めて見たはずなのに驚きもしないのは今の自分の影響、逆に初めての会社にも関わらず臆せず進めるのはMCZ時代の鍛えられた精神の影響なのだろうか。
ロビーの中央、受付ロイドの横に先日のスーツ姿の男性が座っていた。
軽く挨拶を行い、さっそく奥の会議室に通される。
四人は百田氏にテーブルをはさんで並んで立つと、
「「「「よろしくお願いします!」」」」
と改めて元気に挨拶をし、深々とお辞儀をする。
「・・・・こちらこそ・・・どうぞ座って・・・」
「「「「はい!!失礼します」」」」
「・・・わざわざお越し下さりありがとうございます。」
「「「「いえ、とんでもないです」」」」
本来なら平均年齢も25歳を超す長命グループだった四人。姉妹以上の濃密な時間を過ごしてきた彼女達はもはや意識せずとも自然に言葉はシンクロしてしまう。百田氏もその光景にこの前とは違う雰囲気を感じていた。
見越して彩夏が口を開く。