小説2

□再会
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彩「あっ 実はあたしたち、あれからMCZさんの真似とかしてるんですよ。ねー」

詩「そうそう 自分で言うのもなんですけど、結構似てるかなー  なんて・・特にリーダーのおバカぶりなんかとくn

夏「はぁー? いまやそれほどバカじゃないですー 結構普通に漢字も読めますー」

れ「ねー あーちゃんとしーちゃんがMCZの真似してるって言ってんのに、いきなり否定って・・・」

詩「ほんと リーダーはそーゆーとこ相変わらず空気読めないよねー」

夏「え?まってまって!おかしいでしょ?え?私が悪いの?」

百「・・・・あのー・・・」

彩「あ! 失礼いたしました。実は本日お伺いいたしましたのは・・」

夏「出た!生徒会長バージョン」

詩「ちょっと リーダー静かにしt

れ「あっ・・・ごめん お腹なっちった・・あははは・・」

夏「ねーえ〜 たかぎー」

彩「ちょっともー 三人ともうっさい!!」

詩「え?わたしも?」

れ「お腹は生理現象だからしょうがn

彩「今大事なお話してるの!しっ!!」

「「「・・・はーい・・・」」」

百「・・・・・・・」

れ「・・でも、お腹なったのは・・・・

彩「れにちゃん!!お口はちゃっく!!」

れ「ぬぁんでよ・・・・・ぴっ・・・」

詩「そこは素直なんだ」

夏「もー なんなん?」

普通の会話のようで何気にレベルの高い茶番ともとれる掛け合い。今まで何人も面接をしてきたが、これだけ落ち着いた物怖じしない少女は見たことがない。それも核は同じようでも個性的な資質を持った素材が同時に4人も・・・なぜこの前に会った時この素質を見抜けなかったのかという思いと、不思議な懐かしさを感じながら彼女達を見つめる百田氏に彩夏が再び話し出す。



彩「実は・・・お話というのは、一つお願いがあるんですけど・・」

百「お願い・・・ですか・・」

彩「はい MCZのマネージャーさんで川上さんていらしたと思うんですけど、今どちらで何をされてるか ご存知でしょうか?」

百「川上さんですか。この事務所を立ち上げ何年か前に退職されましたが・・・・会ってどうするんですか?」

彩「ちょっと色々と聞きたいことがありまして・・・・」

百「・・・・例えば?」

彩「えっと〜 MCZが災害に遭った時のこととか・・・」

百「それを聞いて何が変わるんです?」

彩「え?それは〜・・」

百「会ったところで何も変わらないと思いますよ。それに、今更そんな悲しい過去の話なn

夏「もー あんたさ へんなとこ昔っから理屈っぽいに! 教えてくれたっていいじゃんよ!  そんなんじゃどうせ結婚もしとらんだら!!」

詩「ちょっと夏菜子!」
彩「言葉使い!!」

夏「あっ やば!!」


(・・・何だ?今の言い方・・・いや、そんな馬鹿な事は・・・そもそも、もういないんだし・・・いや・・でも・・・)
夏菜子の話し方、態度に不思議と心が躍るのを必死に否定していると、

「あの・・・百田・・さん・・・」

右横から不意に名前を呼ばれる。

「もう・・・気づいてますよね? 私たち・・・・本物ですよ!  久しぶり、元気にしてた?」

「えっ・・・・・」

「でも・・・ちょっと髪の毛が・・・・あっははははは・・」

「れにちゃん!それは失礼だよ」

「だってー 昔は染めちゃったりしてたのにさ・・・あっ!だからだ! あっはははは・・・」

バカにされながらも、その愛らしい笑顔に、発する言葉に 急に男性の目頭は熱くなり、あの時枯れたはずの・・・十数年ぶりの涙が頬をつたう・・・

「・・・たか ぎ さん?・・・」

「はい、MCZのはがね少女 高城れにです!」


「もー れにちゃんたらー」
「まぁまぁ・・しょうがないよ かえっていいかもよ?」

呆れながらも笑う彩夏をなだめる詩織。

「使いな・・・大丈夫?」

差し出されたハンカチの向こうでニッコリ笑う夏菜子を見た瞬間、男性は自分でも制御が出来ないほど泣き崩れた。


男性が落ち着きを取り戻すまでの時間、四人は優しい笑顔で見つめていた。


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