小説

□逆ハーレム〜花菱会のクリスマス〜
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布施「師走ともなると、めっきり冷えこむなぁ」

西野「ほんまですわ。寒うて、身体よう動きませんて」

中田「こないな時は、精のつくもんでもどうでしょ。
いい店知って…」

プルルルル(中田の携帯の着信音)

中田「す、すんません。…ちょっと(部屋から出ていく)」

布施「………ほう」

西野「会長。どうされました?」

布施「……女からやのう。あの電話」

西野「…なんと」

布施「まぁ、個人間の話やしな。口挟む気はないけどなぁ」

西野「そうですなぁ…」

布施「……」

西野「………」

布施「…まぁ、気にならんいうたら嘘になるな。あの女っ気のない中田の女やろ」

西野「ええ。中田のやつ一体どんな…」

ガラッ(ドアが開く音)

中田「すみません。会長をお待たせして…」

布施「ええ。別に仕事中でもないしな。
……中田、頑張れよ」

中田「ええ…?」

西野「会長がそう言ってるんや。まぁ…そういうことや」

中田「ええ…?あの、いや、それやとまるで俺1人で楽しんでこいと…」

布施「…ん?」

中田「今、夢子から電話が来まして、花菱の幹部に日頃のお礼がしたいと。
クリスマスに自宅に招きたい言うて…」

布施「(ガタッ)」

西野「(ガタッ)」

布施「中田。まず、物事には順序いうものがあってな。
…何より先に言わないかんことがあるやろ?」

西野「そもそもなんでお前が夢子と連絡を取り合ってんねん!」

中田「す、すみません…。
それに会長に連絡なんて恐れ多いんとちゃいますかね…若頭もしかり、で。
補佐の自分に、と」

布施「……。まぁええ。
詳しいこと、聞かせてもらおうか」

中田「もちろんです…」

西野「それとな、夢子にも言うておけ。
若頭だからって遠慮する必要ないんやと。
夢子からの連絡やったらなぁ!手紙でも電話でもメールでも受け付ける言うておけ!」

中田「は、はぁ…」

中田の疲労は続く。
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